23JS6APPアンプ   平成25年10月6日 


23JS6APPアンプ(自作シールドケース取り付け)


《 はじめに 》
 昨年自作した6DQ5PPアンプの出力管4本を「平衡ドライブ6DQ5SEPPアンプ」に流用したので、23JS6Aを使ったアンプに改造した。
 6DQ5も23JS6Aのどちらも平成23年10月に名古屋のH田氏から頂いたものである。 東芝製23JS6Aは某メーカー製アマチュア無線送信機終段に使われていたことで有名であるが、このアンプにはNECと三菱電機製を使用した。 特にNEC製は右の写真のように Enginieering Sample 42.3.12 TUBE No.XX と記載されたシールが貼りつけてあり、NECが製造したサンプル品ではないかと思われる。

《 使用部品 》
 OPTはタンゴXE60−5、パワートランスは昭和39年頃のカラーTVから取り外したものを使用した。 以前に「改造KMQ−60」に使用していたものである。 B電源容量には不足はないが、ヒーター巻き線は6.3V1.5Aと5V0.5Aの2組みである。
 そこで23JS6Aと12GB7はともに600mAシリーズであることから4本の23JS6Aと12GB7を直列にしてAC100Vから供給し、前段の6SN74本用として別にヒータートランス(6.3V2A×2)を取り付けた。
 CHコイルはタンゴMC−3−350、ケースはSL−20(旧スズラン堂)である。シャーシー天板は6DQ5PPに使っていたものを流用した。

《 回路構成 》
 このアンプの初段、ドライブ段は6DQ5PPアンプをそのまま使用した。電源トランスを変えたことによりB電圧は400V近くになったが、SG電圧は100V程度まで下げる必要がある。(5KΩ負荷時)
最初12GB7(3結)で降下させていたが、3結時の内部抵抗が低すぎてバイアスが−55Vにもなって安定性が悪い。 そこで12GB7をビーム管接続とし、対カソードSG電圧を90Vに設定した。
 6DQ5の時はOPT2次側16Ω端子に8Ωを接続して1次側2.5KΩ(PP間)として使用していたが、今回は正規の接続に戻し、1次5K(PP間)で使用した。こちらの方が最大出力は低下するが低歪である。 PP間2.5KΩにする場合、SG電圧を130V程度に上げれば80W近くの最大出力が得られる計算である。但し、歪は少し多めとなる。

《 最大出力、測定結果 》
 入力1.75Vで43Wの最大出力が得られた。少し電力感度が低い状態であるが使用上不便は感じない。
 プレート電圧385V、PP間5KΩ時の最適SG電圧は100V程度となる模様。その時の最大出力は47W程度と計算され、OPTの効率を93%とすれば、ほぼ計算通りの最大出力である。
 オーバーオール負帰還は12.2dB、DF値は7.2、残留雑音はLchRch共0.1mVであった。 歪率は各周波数で10Wまで0.1%をクリアーして、かなり良好である。
 周波数特性上に目立ったピークやディップは発生していない。600KHZ以上におけるピークは問題ないであろう。
 20HZおける最大出力はビーム管接続であるにもかかわらず40Wに達している。さすが大型OPTによるPPである。 

《 その他 》
 このアンプは4ΩSPを使用することもあるので出力端子を改造した。背面写真参照。
 初段の6SN7にシールドケースを取り付けると残留雑音が半分以下に低下した。しかし、GT管用シールドケースは市場から姿を消し、ST管用を流用するか、自作するかである。 なお、残留雑音はシールド取り付けた状態での値である。また、ハムバランサーなしでは残留雑音がかなり増加する。これらは6SN7の特徴かもしれない。



内部配線



背  面

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