6BQ5ULPPアンプ2号機  令和3年11月27日 


 6BQ5ULPPアンプ2号機


《 はじめに 》
 このアンプア2台目となる6BQ5ULPPである。前作ではプレート電圧を345Vに設定しAB2級としたが、問題なく動作していた。 今回はプレート電圧を325V程度に設定し、AB1級動作で製作する。
 これでもプレート電圧の最大定格300Vを少し上回っているが、この程度であれば問題なく動作すると思われる。

《 使用部品 》
 シャーシーは奥澤O−8(350×250×60)を使用する。 シルバーメタリック塗装し、左右には木製ニスを塗った板を内側からビス止めする。
 OPTはタンゴ製CRD−8、電源トランスもタンゴ製ST−230、チョークコイルはノグチトランス製PMC−228Hを使用する。
 前段使用球はすべて12AU7(5814A)で、手持ちの中から選別して使用する。 出力管の6BQ5(松下製)も手持ちの球から選別して使用する。

《 回路構成 》
 初段は12AU7のSRPP、位相反転段は12AU7のカソード結合型とする。 出力段は固定バイアスとする。
B電源は120Vの倍電圧整流とする。
 無信号時のプレート電圧324V、SG電圧326Vでプレート電流(SG電流を含む)が26mAになるようにバイアス電圧を調整した。 その時のバイアス電圧は−14.3V〜−12.7Vとなり、LCHのバラツキが少し大きい。
 プレート損失とSG損失を合わせて8.5W程度であるから、プレート損失12W、SG損失2Wである6BQ5としては安全領域と思われる。
 6BQ5の規格表によればプレート電圧300V時の最大出力は17Wであるが、UL接続時の最大出力は13W程度に低下すると思われる。 また、最大出力時のプレート電圧を310Vとすれば、最大出力は約8%増加する。
OPTの効率を90%とすれば、このアンプの推定最大出力は下記の通りとなる。

   13×1.08×0.9≒12.6W

《 最大出力、測定結果 》
 1KHZにおける最大出力は入力0.48VでLCH12.5W、RCH11.5Wが得られた。 LCHは上記計算値にほぼ一致したが、RCHは球が少し劣化している影響で僅かに下回った。
 20HZにおける最大出力は中域の80%が得られ、まずまずの低域特性である。 NFBはLCH10.7dB、RCH10.5dBであった。 左右で0.2dBの差を生じているが、電力感度を調整した結果である。 残留雑音はLch0.25mV、Rch0.15mV、DFは5.1であった。
 周波数特性では230KHZ付近にピークが発生しているが、10KHZの矩形波応答にもその傾向が表れている。
 クロストーク特性は中域では80dB以上取れているので十分である。
 10KHZの歪率データが高出力域で悪化している原因は高域補償回路の影響と思われるが、8W付近まで0.25%に収まっている。  



内部配線


背  面


底  面
inserted by FC2 system