6L6GCULPPアンプ2号機  平成29年6月21日 


 6L6GCULPPアンプ2号機


《 はじめに 》
 昨年自作した6L6GCULPPアンプ1号機がなかなか良い仕上がりだったので、同様の回路で2号機を製作した。 配置は左から電源トランス、CHコイル、OPT、OPTとオーソドックスな形である。

《 使用部品 》
 シャーシーは奥澤O−4(400×250×60)を使用し、両サイドに水性ニスを塗った板を取り付ける。 シャーシー本体はアルミ用シルバーメタリック塗装を施して使用する。
 OPTはハシモトトランスのHW‐25‐5、電源トランスは山水PV−180、チョークコイルはノグチPMC‐0350Hを使用する。 PMC−0350Hは3H500mAでかなりのオーバースペックであるが、タンゴ製MC−3−350よりも小型である。
 使用球は6EJ7(松下製)2本、12BH7A(GE製)2本と6L6GC(中国製)4本である。 6L6GCは他に東芝製3本、日立製1本、GE製2本があるが、どれもスタイルが異なり、4本揃った中国製を使用する。

《 回路構成 》
 初段は6EJ7の3極管接続、位相反転段は12BH7Aのカソード結合型とする。 6L6GCUL接続の動作例は発表されていないが、UL接続では5K負荷で問題ないと思われる。
 B電源は135Vを倍電圧整流して370Vを供給する。1号機では電源トランスにPV−145を使用したのでB級に近い動作であったが、今回はPV−180を使用するのでAB1級とする。
 PV−145には36Vのバイアス用電源が用意されているが、少し不足すると思われたので余っている6.3Vを直列にした38.3Vをブリッジ整流してマイナス55Vを供給した。

《 最大出力、測定結果 》
 無信号時のプレート電圧375V、SG電圧377V、バイアス電圧−35〜−36V、プレート電流50mAに設定した。 プレート損失は18.75Wで許容値30Wに対して62.5%である。
 1KHZにおける最大出力は入力0.29Vで20Wが得られたが、少し電力感度が高い。 OPTの損失を考慮すれば1次側では23W程度が得られていると思われる。
 20HZにおける最大出力は中域の60%が得られ、前作を少し下回った。 NFBは10.5dB、残留雑音はLch0.38mV、Rch0.15mV、DFは3.3であった。
 周波数特性では250KHZ付近まではなだらかに減衰、それ以上では小さなピークやディップが発生している。 10KHZ矩形波応答も良好である。 クロストーク特性は中域では90dB以上、10HZ〜35KHZで80dB以上取れているので問題ない。 残留雑音の影響を受けてR→Lのデータが少し悪くなっている模様である。
 歪率データは1W時0.05%未満、最大出力付近でも0.6%未満となった。 右CHのカーブが低出力で悪化しているのは残留雑音の影響と思われる。

《 その他 》
 CHコイルを除くトランス類はすべてオークションで入手したものである。 電源トランスは錆が浮いていたので、サンドペーパーで処理したあと、つや消し黒色スプレーで塗装して使用した。
 10.5dBのNFBにも拘わらずDF値が3.3と少し小さい。 6L6GCなどのビーム管は内部抵抗が高く、UL接続でもあまり下がっていないことが影響しているのではないだろうか。



内部配線



背  面

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