6L6GCULB1級PPアンプ  平成28年8月3日 


 6L6GCULB1級PPアンプ


《 はじめに 》
 KMQ−60のケースを再利用して自作した6GA4PPアンプ6B4GPPアンプが気に入ったスタイルに仕上ったので、これらを模倣してこのアンプを製作した。

《 使用部品 》
 シャーシーは奥澤O−6(400×200×40)を使用し、MQ‐60(KMQ−60)とほぼ同じ部品配列とする。
 OPTはラックスOY15−5、電源トランスは山水PV−145、チョークコイルはラックス4BC−1.3を使用する。
 使用球は12AU7(松下他)4本と6L6GC(JJ製クワッド)である。

《 回路構成 》
 初段は12AU7のSRPP、位相反転段は12AU7のカソード結合型とする。 6L6GCUL接続の動作例は発表されていないが、UL接続では5K負荷で問題ないと思われる。
 B電源は135Vを倍電圧整流して370Vを供給する。 SG電圧がビーム管接続時の動作例よりも高いのでバイアスは少し深めにしなければならないと思われる。 また、電流容量が220mAのため無信号時のプレート電流を少し控えめにする必要もある。ほぼB1級である。
 PV−145には32Vのバイアス用電源が用意されているが、少し不足すると思われたので余っている6.3Vを直列にした38.3Vをブリッジ整流してマイナス55Vを供給した。

《 最大出力、測定結果 》
 無信号時のプレート電圧361V、SG電圧366V、バイアス電圧−34V、プレート電流は38mAでプレート損失は約13Wとなった。  1KHZにおける最大出力は入力1.2Vで20Wが得られた。OPTの損失を考慮すれば1次側では23W程度が得られていると思われる。
 20HZにおける最大出力は中域の90%が得られ、さすがにOY型OPTである。 NFBは11dB、残留雑音はLch0.14mV、Rch0.2mV、DFは3.8であった。
 周波数特性では160KHZ付近に小さなピークが発生しているが、それ以上では素直に減衰している。 10KHZ矩形波応答も良好である。 クロストーク特性は中域では100dB程度取れていると思われるが、残留雑音の影響を受けて中域では平坦になっている。
 10KHZの歪率データが100HZ、1KHZと比較して悪いが、それでも1Wで0.15%、10Wで0.6%に収まっている。

《 その他 》
 VRから初段までの配線に2芯シールド線を使用し、超高域にPFBが掛かるようにした。(MQ−60と同じ)  そのためシールド線の長さを同じにしなければ高域特性に差が生じるので注意が必要である。
 トランス類はすべてオークションで入手したものである。OPTとチョークコイルは多数の傷や錆があったので、サンドペーパーで処理したあと、つや消し黒色スプレーで塗装して使用した。



内部配線



背  面

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