6V6GTウルトラリニアーPPアンプ
平成30年6月6日
6V6GTウルトラリニアーPPアンプ ボンネット付
《 はじめに 》
6V6GTを使ったアンプは過去にシングルアンプ1台、類似管の7C5を使ったULPPアンプを自作したのみであった。
そこで今回は6V6GTULPPアンプを製作した。
《 使用部品 》
OPTはラックス製OY−15−3.5、電源トランスは山水PV−145、CHコイルはラックス4BC−1.3を使用する。
ケースはラックスMQ−60のケースを再利用する。
初段は12AU7、ドライブ段には12BH7、出力管の6V6GTはEH製を使用する。12BH7は12AU7でも使用できる。
《 回路構成 》
初段は12AU7SRPP、位相反転段は12BH7によるムラード型(カソード結合型)、出力段は6V6GTのUL接続であるが、回路としては非常に平凡な回路になった。
6V6GTはビーム管であるため内部抵抗が高く、少しでも低域特性を改善するためにウルトラリニアー接続とした。
3極管接続では5W程度の最大出力しか得られない。
使用したOY−15−3.5の1次インピーダンスは3.5KΩのため、2次側4Ω端子を8Ωとし、1次インピーダンスを7KΩとした。
B電源は115V両波倍電圧整流とする。
《 最大出力、測定結果 》
入力0.8Vで8Wの最大出力が得られた。ウルトラリニアー接続としては順当な値と思われる。
20HZにおける最大出力は中域の90%以上得られている。タンゴCRD−8では70%に低下していたことから、さすがにOY型は優秀である。
残留雑音はLR共に0.2mV以下、DFはLR共に約3.5であった。
高域は非常に素直な特性を示し、10HZ−3dB、100KHZ−3dBと広帯域であるが、低域の減衰が少し早い。
10KHZ矩形波応答も0.47μF並列時に少しリンギングが発生しているが、問題ない。
クロストーク特性は良好である。残留雑音の影響を排除すれば中域では100dB程度と思われる。
歪率グラフが0.5W付近で少し悪化しているが原因は良く解らない。他の6V6GTを使用した場合も同様の傾向を示していた。
《 その他 》
電源に余裕があるのでバイアス調整で6GA4PP、あるいは6L6GCULPPとしても使用可能である。
ただし、6CA7(EL−34)はヒーター容量不足で使用不可。
6GA4では最大出力は10W程度、6L6GCの場合は15W程度が得られると思われる。
ブロック電解コンデンサーの一部にかなり古いもの(40年経過)を使用したが、容量減も起きておらず、問題なく使用できた。
使用条件にもよるが、ブロック電解コンデンサーは結構タフな印象である。
前 面
背 面
内部配線
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