7C5ウルトラリニアーPPアンプ
平成27年3月6日
7C5ウルトラリニアーPPアンプ
《 はじめに 》
名古屋のY氏から7C5、UZ−42、6V6GT、6L6GCなどの多数の出力管を頂いた。さらに7N7が5本、7L7が2本あったので、オールロクタル管で7C5ウルトラリニアーPPアンプを製作することにした。
ちなみに7C5は6V6GT、7N7は6SN7相当管、7L7は6AU6に近い特性のシャープカットオフ5極管である。
《 使用部品 》
OPTはハシモトトランス製HW−15−8、電源トランスはタンゴLH-150、CHコイルはノグチトランスPMC-228Hを使用した。
ケースは奥澤製O−8に艶消しの黒を吹き、側面には水性クリアーニスを塗った板を取り付けた。
ロクタル管用ソケットは多く出回ってなく、中国製とAmphenol製の2種類程度である。今回は安い中国製を採用したが使い勝手が悪い製品であった。
しかし「Amphenol」製は価格が3倍以上である。
《 回路構成 》
初段は7L7(3結)、位相反転段は7N7によるカソード結合型、出力段は7C5のUL接続であるが、回路としては非常に平凡な回路になった。
7C5はビーム管であるため内部抵抗が高く、低域特性を改善するためにウルトラリニアー接続とした。
B電源は300V両波整流、CHインプット方式としているが、電圧調整と電流容量の不足を補うためである。これにより約270V220mAが供給出来る計算である。
PMC-228HはCHインプット方式用の製品ではないため、SWオン直後に鉄芯が少しうなり音を発していたので、ダイオード直後に2μF630Vのフィルムコンデンサーを挿入したところ消えた。
この部分に小容量の電解コンデンサーは使用できないので注意が必要である。過大リップル電流でパンクする。
《 最大出力、測定結果 》
LCHは入力0.35Vで6.2W、RCHは入力0.34Vで6Wの最大出力が得られた。ウルトラリニアー接続としては順当な値と思われる。
20HZにおける最大出力は中域の70%が得られている。残留雑音はLR共に0.15mV、DFはLR共に3.8であった。
周波数特性では低域の減衰が少し早いが、高域は300KHZまでは非常に素直な特性を示している。それ以上では小さな山谷が見られる。
10KHZ矩形波応答も0.47μF並列時にかなり大きなリンギングが発生しているが、これはOPTの特性と思われる。
クロストーク特性はかなり良好であるが、残留雑音の影響を排除すれば中域では95dB程度と思われる。
10KHZの歪率データが少し良くない原因は初段プレート回路に挿入した高域補償回路の影響である。取り外せば改善されるがリンギングが非常に大きくなってしまう。
《 その他 》
初段の7L7は内部シールドが装備されているのでシールドケースは不要である。
始め交流点火としていたが、残留雑音が少し多い状態であった。
ハムバランサーを調整してもRCH0.6mV、LCH1.1mV程度までしか改善されない。しかも左右で最良点が異なっていた。
これはヒーターカソード間の漏洩電流の影響と思われるので、DC点火に改造したところ、満足出来る値に改善された。
DC点火は初段のみで充分であるが、そのためにはヒーター配線を変更する必要があるので7N7もDC点火とした。
内部配線
背 面
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