UY−807ウルトラリニアーPPアンプ
平成28年9月22日
UY−807ウルトラリニアーPPアンプ
《 はじめに 》
先日製作した6L6GCウルトラリニアーPPアンプで好結果が得られたので、今年4月に自作した2A3PPアンプを改造してこのアンプを製作した。
807のウルトラリニアー接続の動作例は発表されていないが、3極管接続の動作例は発表されている。
上の表によればプレート電圧400V、P−P間負荷抵抗3KΩで15Wの最大出力となっている。
807は6L6Gをトッププレートに変更した球とのことらしいので、特性は似ていると思われる。
ウルトラリニアー接続の場合は6L6GCと同程度の出力が得られるのではないだろうか。
とりあえずカット&トライで進めることにする。
《 使用部品 》
OPTはラックスOY−15−3.6KHP、電源トランスはタンゴMX−280、CHコイルはオークションで入手した推定2H250mAを使用する。
ケースは2A3PPに使用していたものを流用し、出力管のソケットのみUY型に交換する。出力管の807は東芝製である。
《 回路構成 》
初段はEF−86の3極管接続、位相反転段は5687によるカソード結合型である。
807のUL接続では負荷抵抗の適応範囲が少し広がると思われるのでP−P間3.6KΩ負荷とする。
B電源は320Vを5U4GBによる両波整流して370Vを供給する。
MX−280で整流管使用時の最大電流は280mAのため、無信号時のプレート電流は約37mAに設定する。
B級に近い動作である。
《 最大出力、測定結果 》
入力0.6Vで15Wのノンクリップ最大出力が得られた。(1KHZ)ほぼ同じ条件である6L6ULPPを少し下回る結果となった。
予想値を少し下回っている原因は最大出力時のプレート電圧が340V近くまで低下することが影響している。
B電源をダイオード整流に変更すれば最大出力は増加すると思われる。
20HZにおける最大出力はほぼ中域と同程度が得られ、低域特性は優秀である。
残留雑音はLRchとも0.05mV未満で非常に優秀な結果が得られた。DFは5.2(ON-OFF法)であった。
周波数特性では右CHの300KHZ付近にピークが見られ、2A3PPと同じ位置に発生しているので、OPTの特性と思われる。
クロストーク特性はかなり良好で、中域では100dB以上は取れている。
2A3PPでは100HZの小出力時の歪率が悪化していたが、このアンプではそのような傾向はみられない。
2A3PPでは交流点火の影響が出ていたと思われる。
《 その他 》
OY型OPTは非常に優秀な特性であるが、断線故障が多い傾向が見られる。今回使用したHPタイプは巻き線を太くし、断線故障の発生が抑えられているので安心できる。
内部配線
背 面
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