右の図は−6dBクロス、−12dB/OCTフィルターの基本回路である。
CをPF、RをMΩとすればクロスオーバー周波数(fc)は以下の計算式で求めることが出来る。 fc=1000/(2πCR)KHZ C=1500PF、R=0.110MΩで計算すればクロスオーバー周波数は 0.965KHZとなり、 C=1500PF、R=0.1MΩでは1.06KHZとなる。 今回は0.965KHZで進めることにし、1500PFと110KΩを準備した。 抵抗は問題なかったが、容量値をチェックしたところ、1520PF付近が半数を占めていた。 そこで他のコンデンサーに小容量コンデンサーを並列にてほぼ同容量を8個確保した。 その結果、Cは約1520PFになり、クロスオーバー周波数は0.95KHZとなった。 通常チャンネルデバイダーの利得は0.9倍程度である。 今回は初段を6189W(12AU7A)のSRPPとし、デバイダー部の損失を補う形とする。 しかし、そのままでは利得が高すぎるのでPG帰還を掛けて全体の利得を1.25倍程度とする。 フィルター部には12AT7Aを使用する。 B電源はCHコイルは使用せず、抵抗とコンデンサーのみでフィルターを構成する。 ヒーターは6.3Vを倍電圧整流し、12.5Vに調整して供給する。 2Aを倍電圧整流した場合、最大出力電流は0.636A程度となることから、2A巻き線の負荷率は94%に収まっている。 |
《 測定結果 》 フィルター特性はほぼ950HZ−6dBクロスの特性となった。 出力1V時、低域は10HZまでフラット、高域は500KHZで−3dBと非常に広帯域に仕上がった。 歪率測定は発振器出力周波数が固定のため10KHZのみ測定したが、1V出力時で0.05%未満であった。 100HZではわずかに悪化していた。利得は1.25倍、最大出力は25V以上に達した。 各出力における残留雑音は高音0.045mV、低音0.02mV前後であった。 |
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