2CHデバイダー   令和3年4月8日    


12dB/oct 2CHデバイダー クロス950HZ


《 はじめに 》

 この2CHデバイダーは、JBL4430をマルチアンプ駆動で使用するために製作した。 4430は2Weyでクロスオーバー周波数は1KHZとなっている。

《 使用部品 》

 シャーシーはゼネラルトランス製SC−35にシルバーメタリック塗装を施し、底板も同じゼネラルトランス製SO−35を使用する。 電源トランスもゼネラルトランス製PMC−35Eを使用する
 真空管は6189W(フィリップス製)2本、12AT7A(東芝製)2本、6X4(フィリップス製)1本を使用する。 6189Wは12AU7Aの高信頼管である。

《 回路構成 》

 右の図は−6dBクロス、−12dB/OCTフィルターの基本回路である。
CをPF、RをMΩとすればクロスオーバー周波数(fc)は以下の計算式で求めることが出来る。

   fc=1000/(2πCR)KHZ

 C=1500PF、R=0.110MΩで計算すればクロスオーバー周波数は
0.965KHZとなり、 C=1500PF、R=0.1MΩでは1.06KHZとなる。
 今回は0.965KHZで進めることにし、1500PFと110KΩを準備した。 抵抗は問題なかったが、容量値をチェックしたところ、1520PF付近が半数を占めていた。 そこで他のコンデンサーに小容量コンデンサーを並列にてほぼ同容量を8個確保した。
 その結果、Cは約1520PFになり、クロスオーバー周波数は0.95KHZとなった。
 通常チャンネルデバイダーの利得は0.9倍程度である。 今回は初段を6189W(12AU7A)のSRPPとし、デバイダー部の損失を補う形とする。
 しかし、そのままでは利得が高すぎるのでPG帰還を掛けて全体の利得を1.25倍程度とする。 フィルター部には12AT7Aを使用する。
 B電源はCHコイルは使用せず、抵抗とコンデンサーのみでフィルターを構成する。  ヒーターは6.3Vを倍電圧整流し、12.5Vに調整して供給する。 2Aを倍電圧整流した場合、最大出力電流は0.636A程度となることから、2A巻き線の負荷率は94%に収まっている。

《 測定結果 》

 フィルター特性はほぼ950HZ−6dBクロスの特性となった。 出力1V時、低域は10HZまでフラット、高域は500KHZで−3dBと非常に広帯域に仕上がった。
 歪率測定は発振器出力周波数が固定のため10KHZのみ測定したが、1V出力時で0.05%未満であった。 100HZではわずかに悪化していた。利得は1.25倍、最大出力は25V以上に達した。
 各出力における残留雑音は高音0.045mV、低音0.02mV前後であった。


背  面

内 部 配 線








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