CR型フォノイコライザー付SEPPOTL出力ラインアンプ 平成30年1月9日 |
《 はじめに 》 このCR型フォノイコライザー付SEPPOTLラインアンプは平成27年4月に自作した真空管式CR型フォノイコライザーアンプと平成29年9月に自作した12B4A×2SEPPラインアンプを少しアレンジして合体させたものである。 《 使用部品 》 イコライザー段は4本の12AX7(ロシアムラード製)、SEPPOTLラインアンプは4本の10EW7(NEC製)を使用する。 電源トランスはラックス製4A58、B電源用CHコイルはPMC−1006Hを2個、ヒーター平滑用としてPMC−228Hを使用する。 電源トランスはかなりのオーバースペックであるが、ヒーター電源を確保するために使用した。アンプ部には木製ケースを自作した。 《 回路構成 》 電源内蔵型では誘導雑音の影響が避けられないので電源部は別シャーシーとする。 イコライザー段は12AX7のSRPP2段構成とし、ラインアンプ部は10EW7第1ユニットで差動型位相反転回路を組み、第2ユニットでSEPPOTL回路を構成している。 通常は差動回路のカソード帰路をマイナス電源に接続するが、このアンプではアースに接続する。 動作点のバイアス電圧は−9〜−10V付近であり、ラインアンプでは大きな電圧を扱わないため、この状態で十分機能していると思われる。 B電源は135Vの倍電圧両波整流し、平滑回路には10H60mACHコイルを左右別で使用した。 4A58Bには45V−0−45VDC150mA巻き線があり、これを両波整流してDC49Vを得て4本の12AX7を直列点火する。 その平滑回路にPMC−228Hを使用しているが、PMC−518Hでは巻き線抵抗値が大きく、十分な電圧が得られなかった。 イコライザーのRIAA偏差はプラスマイナス0.27dB以内に収まった。 また、イコライザー部の1KHZにおける利得は470倍(53.5dB)程度あり、低出力カートリッジにも対応できると思われる。 ただし、MC型ではステップアップトランスの使用が前提である。 RIAA特性以外の測定データはSEPPOTLラインアンプ部のみの特性である。 歪率は1KHZのみのデータであるが、4.3Vあたりまで0.1%未満に収まった。100HZ、10KHZもほとんど同じであった。 ラインアンプ部の利得は3.48倍(10.5dB)、VR最大時のフォノ入力から出力までの1KHZにおける利得は1635倍(64dB)となった。 ラインアンプ部の特性は10HZ−0.4dB、500KHZ−3dBで非常に広帯域に仕上がった。 クロストークはフォノ入力からの場合約−70dB、CDとAUXからの入力では−100dB程度であった。 CD、AUXで入力短絡の時の残留雑音は0.05mV未満となった。 フォノ入力フルボリウムではさすがにフリッカー雑音は増加したがハム雑音はほとんど増加しなかった。フリッカー雑音も通常の使用状態では問題ないレベルであった。 《 その他 》 電源を別ケースにしたのでアースは各段最短でシャーシーに接続している。 入力端子で左右のグランドを接続してシャーシーに接続している。 その際Phono入力と他入力のグランドは別配線としなければ、他の機器を接続した際にハム音が混入する場合があるので注意が必要である。 イコライザーアンプに使用する球は低雑音のものを選別する必要があるが、今回は4本すべてにムラード(ロシア)製を使用した。 最近製造されているものでは、昔のような低雑音球がなかなか見つからないことが残念である。 後部と接続ケーブル 内 側 上 部 内 部 配 線 電源内部配線 |
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