トーンコントロール付きラインアンプNo.7      令和2年6月3日  


トーンコントロール付きラインアンプNo.7


《 はじめに 》

 このラインアンプは製作から10年以上経過した トーンコントロール付きラインアンプNo.1 を分解し、 木製ケース、内部アルミ部材を再利用して製作した。電源部は一部変更、接続ケーブル、フロントパネル、リアーパネルは交換した。

《 使用部品 》

 電源トランスはインスタント(大阪高波)製PS−60、チョークコイルはノグチトランス製 PMC−1060Hを流用する。 真空管は12AU7 2本、12AX7 2本を使用する。 電源部の電解コンデンサーは容量が減少していたのでJJ製に交換する。

《 回路構成 》

 改造前は利得が約7倍でVRの常用位置は9時方向となり、使い勝手が悪かった。 そこで初段にPG帰還をかけて利得を40%程度まで下げることにする。Lchの帰還回路に挿入した可変抵抗器は利得調整用である。 これにより球のバラツキを打ち消すことができる。
 入力セレクターSWを増設し、入力2系統、出力1系統の構成とする。VRは東京コスモス製からアルプス製に交換する。 同じA型(15A)のVRであっても9時方向における音量にかなりの差(東京コスモス製>アルプス製)が見られたからである。
 初段の12AU7SRPPにはPG帰還をかけ、ラックス型NF型トーンコントロールを挟んで12AX7SRPPで出力する。
 B電源は250V×2をダイオード両波整流後、2段のπ型フィルターで平滑して供給する。 ヒーターは直流点火とし、6.3+5V=11.3Vをブリッジ整流後、π型フィルターで平滑し、12.6Vを供給する。

《 測定結果 》

 TC特性は最大、最少およびフラット位置で測定したが、非常に素直な特性が得られた。
 出力端子における残留雑音は0.05mV程度で良好、VR最大でもほとんど変化はなかった。 1KHZにおけるノンクリップ最大出力電圧は23Vであった。 出力電圧1Vにおける歪率は0.06%以下と良好、出力電圧0.5V未満、20V超は発振器出力と歪率計感度の兼ね合いで測定不能。
 高域でクロストークが悪化しているが、まずまずの結果が得られた。 2連VRを3個使用しているため、これ以上の結果は望めないと思われる。

《 その他 》

 ラックス型トーンコントロールはPG帰還回路となっているので、初段の出力インピーダンス加算されるとNFBが増加し、トーンコントロール特性に影響を及ぼす。 そのため、できる限り出力インピーダンスを低くした方が上昇下降カーブが素直となる。




背  面


内 部 配 線


シャーシー上部


電源部内部配線














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