NF型トーンコントロール付きラインアンプNo.3           平成27年9月10日


NF型トーンコントロール付きラインアンプNo.3


《 はじめに 》

 平成25年秋に製作したトーンコントロール付きラインアンプNo.2を大阪のH氏にお貸ししたところ、非常に素直な音とのご感想を頂いた。 このラインアンプの入力を2系統、出力を2系統としてほしいとのご依頼であったが、前面パネルの配置等で改造は難しいので新たに製作することにした。

《 回路構成 》

 回路は前作とほとんど同じで、初段には2AU7A片ユニットを、NF型トーンコントロール段には5755のSRPPを使用した2段構成である。
 電源トランスを変更したため、B電源は180Vのセンタータップ式両波整流となった。平滑回路には10H60mACHコイルを使用した点は同じである。 ヒーターは15V1.5Aをブリッジ整流し、4700μF−13.2Ω(8.2Ω+5Ω)−10000μFのπ型平滑回路を通してDC12.5Vを供給する。
 5755のヒーターカソード間耐圧は75Vであるため、SRPP段は注意が必要である。今回はB電圧が低いので上下段のカソード抵抗は同じする。 その上でヒータバイアス(+50V)を掛け、上段下段共規格内に収まるようにする。



《 測定結果 》

 トーンコントロールは俗にラックス方式と呼ばれているNF型である。 特性は最大、最少およびフラット位置で測定したが、最低域の上昇が少ない原因はPG帰還量が少ないためと思われる。
 出力端子における残留雑音は0.02mV前後と良好、VR最大でもほとんど増加しない。 ノンクリップ最大出力電圧は100HZと1KHZで22V、10KHZで17Vであった。 歪率は出力電圧1V未満では0.1%以下、10Vで約1%程度であった。







 次にクロストーク特性は高域で少し悪化しているが概ね良好である。 B電源のデカップリング回路を左右共通にしたときは低域の特性が悪化するので注意が必要である。




 通気口は後部および真空管の周囲に空けているが、長時間使用しても温度上昇は少ない模様。


背  面


内 側 上 部


内 部 配 線

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