トーンコントロール付きラインプリアンプNo.5      令和元年12月10日  


トーンコントロール付きラインプリアンプNo.5


《 はじめに 》

 このラインアンプは秋田県のS氏から依頼されて製作したもので、 回路的にはトーンコントロール付きラインプリアンプNo.4に入力セレクターを追加した形となっている。

《 使用部品 》

 ケースはタカチ製WS99−26−23S、電源トランスはゼネラルトランス製PMC−35E、チョークコイルは春日製 4B−20MA、 真空管は6C4(RCA製)2本、ECC83(ムラードロシア製)2本、6X4WA(フィリップス製)を使用する。
 ロータリーSWはセイデン製、VRは東京光音製、トーンコントロール用VRはアルプス製を使用する。

《 回路構成 》

 前段は6C4のカソードフォロアー、後段は12AX7ASRPPの2段構成である。 2本の6C4は12AU7に置き換えることができる。
 トーンコントロールはラックス型と呼ばれるNF型を採用する。 この方式は非常に素直な特性が得られることが特徴であるが利得は1倍である。 そのため、カソードフォロアー段の損失の影響で全体の利得は1倍未満となる。 
 B電源は260Vを6X4で両波整流後、2段のπ型フィルターで平滑して供給する。 ヒーターは直流点火とし、6.3Vをブリッジ整流後、π型フィルターで平滑し、6.3Vに調整して供給する。

《 測定結果 》

 TC特性は最大、最少およびフラット位置で測定した。
 出力端子における残留雑音は0.03mV程度で良好、VR最大でもほとんど変化はなかった。 1KHZにおけるノンクリップ最大出力電圧は、発振器の最大出力電圧の制限を受けているため23V以上は測定不能であった。 出力電圧1Vにおける歪率は0.025%以下と良好であった。出力電圧0.5V未満、7V超は発振器出力と歪率計の感度の兼ね合いで測定不能。

《 その他 》

 タカチ製ケースはフロントパネル、リアーパネルを取り付ける際、本体との接触面を処理しないと接触不良が発生し、雑音を拾うことがあるので注意しなければならない。 ケースが少し小さいので電源トランスからの雑音混入を心配したが、アンプの利得が1未満であるためか問題はなかった。
 6X4のヒーターは少し立ち上がりを遅くするために5V端子に接続し、一端をグランドに接続したが、HK間耐圧は450Vであるから問題ない。 いずれも雑音低減のためである。




背  面


内 部 配 線












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