- はじめに
今回のプリアンプは、作業場(工作室)前に設置したモニターSPに使用しているメインアンプ(昨年末に製作した6080×2SEPPOTLアンプ2号機)の感度が低いので、少し利得を稼ぐ目的で製作した。
なお、電源は3CHデバイダー付きプリアンプ用を流用する。
平成23年8月に電源部を新たに製作した。
- 回路構成
12AU7SRPP12AX7SRPPの間にNF型トーンコントロールを挿入しただけの4球構成で、いままで数台製作した3CH(2CH)デバイダー付き型TC付プリアンプからデバイダー部を取り除いた回路である。
初段のSRPP回路にはNFBが掛かっていない。そのため球のバラツキがそのまま利得のバラツキとなり、球により最大で3dB近い差となっていた。
球を選別して使用すればよいのであるが、今回はLCHのカソード抵抗を微調整して利得を合わせる方法を試みたが、なかなか便利である。
RCHは1KΩ固定、LCHは2.2KΩと5KΩ半固定抵抗の並列である。なお、この半固定抵抗は0.5W以上のものを使用しなければならない。
- 製作
シャーシーは手持ちのアルミ板を加工して製作した。前後のパネル以外は古材料である。今回も木製ケースを製作した。
前回よりは少しうまく出来たが、塗装むらの発生はなかなか抑えられない。上下アルミ板には通気穴を開け、上面のみ黒艶消し塗装である。
木製ケースの上下には通気穴に合わせて切り抜き窓を設けた。
フロントパネルのみメタリック(ゴールド)塗装を施し、焼き付け仕上げを行ったが、少し派手である。
- 測定
最大出力は約30Vと問題なく、トーンコントロール特性も良好である。
歪み率は1Vで0.033〜0.065%とまずまずの値である。
VR最大位置では10KHZ矩形波にリンギングを生じていたが、最大位置で使用することはありえないのでそのままにしている。
- まとめ
利得を稼ぐために作ったプリアンプであるが少し利得が多すぎてしまった。あと6dB程度利得を落とせれば使い易くなるであろう。
仕方ないので、メインアンプの入力VRを少し絞って使用することにした。
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内 部 配 線
シャーシー上部
背 面
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