2CHデバイダー付き型TC付プリアンプ    

前面写真


  1. はじめに
     サブシステムとして使用していたバックロードホーンの中音域に以前から不満を感じていた。 そこでドーム型ツイーターを追加することにしたが、既製品のコイルを使用したネットワーク方式ではかなりの出費となる。 (クロスオーバー周波数1590HZ12dB/oct)コイルを自分で巻けば安上がりであるが、アンプの予備機がステレオ換算でSEPPOTL2台、OPTPP付2台があるので2CHマルチ方式で使用可能なプリアンプを製作することにした。

  2. 回路構成
     以前製作した3CHデバイダー付き型TC付プリアンプとほぼ同じ回路で、CHデバイダー部を2CH用に変更する。 なお、使用した電源トランスCV−2(30mA)の関係で、全電流が20mA以下となるように回路定数を変更している。

  3. 製作
     今回は木製ケースを製作してみたが、安い集成材を使用したために塗装むらが発生し、お世辞にも綺麗な仕上がりとはいえない。 上部はパンチングメタル、底部は通気穴加工したアルミ板を使用し、木製ケースには切り抜き穴を設けた。
     リード製シャーシー(250×180×60)にフロントパネル、リアーパネル、サイド板、天板、底板を加工して取り付ける。 電源トランスがシャーシー付き型であるため、電源部に1/3以上のスペースを必要とし、配線はかなり窮屈である。

  4. 測定
     最大出力は30V以上と問題なく、トーンコントロール特性、フィルター特性も良好である。 初段のSRPPにはNFBが掛かっていないため利得にばらつきを生じ易く、カソードに挿入した4.7KΩを微調整して利得を調整する必要があるかも知れない。 今回もLCHは4.7Kオームに71.4KΩをパラにして利得を調整した。

  5. まとめ
     50CA10シングルアンプと50CA10PPアンプを使用し、1590HZ以下をFF−165K、それ以上を10KH50にて試聴したが、FF−165K単独の場合と比較して中高音部がかなり改善された。 コーン型フルレンジSPとツイーターを組み合わせる場合、クロス周波数は少し低めの1500〜2000HZに合わせ、遮断特性も12dB/oct以上とした方が好結果が得られるようである。 しかし、1500HZから使用可能なツイーター製品は限られている。


シャーシー上部
内部

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