真空管式CR型フォノイコライザーアンプ 平成27年4月17日
真空管式CR型フォノイコライザーアンプ
背  面


《 はじめに 》

 このCR型フォノイコライザーは知人から真空管式のものが欲しいとの依頼で製作したものである。
 初めは市販ケースの使用を考えていたが、出来るだけ金額を抑えるためにアルミシャーシーを加工して木製ケースに収めることにした。 上下には通気のための窓を設けている。写真参照。

《 回路構成 》

 初段は12AX7のSRPPとし、CR型イコライザー回路を挟んで12AT7のSRPPである。 最初は2段目も12AX7のSRPPにしていたが、1KHZの増幅率が520倍で大きすぎたので、12AT7に変更した。
 B電源は230Vのセンタータップ式両波整流し、平滑回路には10H60mACHコイルを使用した。CHコイルからの漏洩磁束を下げるため、電源側に1KΩを挿入した。
 ヒーターは6.3V0.8Aと6.3V2Aを直列にしブリッジ整流してDC点火とした。 ヒーターの所要電流は600mAであるが、12.6V0.8Aをブリッジ整流した時の出力電流許容値は510mAであり、18%程度不足している。 そこでブリッジダイオードの後に1.5Ω4W(3Ω2W並列)を挿入し、少しだけ出力電流を増加させた。 B電源電流も8mA程度であるため、特に発熱などの問題は無いようである。
 ヒーターバイアスとして57V程度かけてSRPP上段のH−K間耐圧に配慮している。



《 測定結果 》

 1KHZにおける増幅率は240倍程度となり、プリに接続した時のメインVRは10時〜11時方向で必要な音量が得られている。
 RIAA偏差は0.25dB以内に収まっている。最大出力電圧は20KHZで10V、20HZでは50Vに達している。
 入力端子と電源トランスが近いため、少し漏洩磁束の影響を受けているが、通常の使用状態では全く気にならない。 もちろん、プリアンプをフルボリウムとすればフリッカー雑音、ハム音共に増加する。
 オーディオラックのスペースに制約を受けて、縦長形状としたが、横長形状として入出力端子を電源トランスから遠ざければさらに低雑音が期待できる。
 イコライザーアンプ初段に使用する球は低雑音のものを選別する必要があるが、今回はムラード(ロシア)製を4本購入して、内2本を使用した。 最近製造されているものでは、昔のような低雑音球がなかなか見つからないことが残念である。






内 側 上 部


内 部 配 線

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