マランツ型フォノイコライザー付プリアンプ2号機 令和3年12月28日 |
《 はじめに 》 このプリアンプは宮城県のK氏からの依頼で製作した。マランツ型フォノイコライザー付プリアンプとしては2台目となる。 《 使用部品 》 ケースは自作品でサイズは340×230×120とし、両サイドに18o厚の木板を取り付ける。 ケースがかなり大きいが低雑音プリアンプに仕上げるためには小さくできない。 電源トランスは西崎電機特注品を使用する。 イコライザー部の12AX7にはTUNGSOL製ゴールドピンを2本、EH製を1本使用する。 ラインアンプ部はEH製12AU7、12AX7をそれぞれ2本使用する。 セレクターSWは岩崎通信製、VRはアルプス製、トーンコントロール部には東京コスモス製を使用する。 《 回路構成 》 入力はPhono1回路、CD、Tunerの3系統、出力は2系統とする。 イコライザー回路はいわゆるマランツ型と呼ばれている3段構成のNF型である。 忠実に再現するため、電源回路以外の回路定数はデッドコピーとする。 トーンコントロールはラックス型と呼ばれるNFタイプとする。 増減量は少な目(プラスマイナス10dB程度)であるが、フラット位置でうねりが発生しない優れた回路である。 B電源は250Vを6X4とシリコンダイオードを2個使用してブリッジ整流し、3段π型フィルターを経て244Vを供給する。 ヒーターは14Vをブリッジ整流し、12Vに調整して供給する。 《 測定結果 》 イコライザーのRIAA偏差は60HZ以下で少し大きいが、概ね0.3dB以内に収まった。 RIAA特性以外の測定データはラインアンプ部のみの特性である。 歪率は出力1.2Vまで0.1%未満であった。 0.5V未満は歪率計の測定限界のため測定していない。 ラインアンプ部の利得は4倍、VR最大時のフォノ入力から出力までの1KHZにおける利得は約500倍となった。 ただし、MC型ではステップアップトランスの使用が前提である。 ラインアンプ部の特性は10HZ±0dB、100KHZ−0.5dBで非常に広帯域に仕上がった。 CD、Tunerにおける残留雑音は0.075mV未満であった。 フォノ入力フルボリウムではさすがにフリッカー雑音が増加するが、ハム雑音はほとんど増加しなかった。 フリッカー雑音も通常の使用状態では問題ないレベルであった。 《 その他 》 使用したアルミ板はアルマイト加工品であったが板材間の導通に問題は無かった。 通風孔は上面、下面に設置し通風に気を付けたが、発熱が少ないため、温度上昇はほとんどなかった。 後 面 内 部 配 線 内 側 上 部 底 部 |
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