直結カソードCHドライブ2A3シングルアンプ2号機   平成28年6月2日 


直結カソードCHドライブ2A3シングルアンプ2号機


《 はじめに 》
 以前に自作した直結カソードCHドライブ2A3シングルアンプ1号機の改造を行った。 おもな変更点は以下の通り。
  1. OPTをTSM Products製15W型に交換
  2. 出力管の2A3を東芝(マツダ)製からマルコーニ製に交換

《 使用部品 》
 OPTと2A3以外はほとんどの部品は流用した。使用したOPTはオークションで入手したものであるが、カバーがない。 そこでギャレットオーディオ製TCN−2を取り付けることにした。
 TCN−3にすれば楽に収まったのであるが、TCN−2ではトランスの締め付けカバーが邪魔をして収まらなかったので、ヤスリで加工して無理やり取り付けた。


TSM製OPTとギャレットオーディオ製トランスカバー(TCN-2)


《 回路構成 》
 回路はほとんど同じで、単にOPTを交換したのみである。 このトランスの1次側インピーダンスは5KΩのため、はじめ16Ω端子に8Ωを接続し、1次側インピーダンス2.5KΩとしていたが、波形の上部が先にクリップしていた。 つまり2A3がカットオフしている。
 そこで1次5KΩに接続を替えたところ、今度は波形の下部がクリップするようになった。 今度はグリッド電流が流れているとみられる。2A3のA2級では3.5KΩ程度が最適負荷と思われる。

《 最大出力、測定結果 》
 1KHZでは入力0.83V時に最大出力5Wが得られた。ひずみ率も4Wまでは1%以内に収まり、おおむね良好である。 負荷抵抗を3.5KΩに変更すればもう少し最大出力増加が見込める。
 2A3を交流点火したにも係わらず、残留雑音は0.25mVで優秀である。 使用したバランス調整用VR(50Ω3W)は巻き線の線径が大きいためか、微調整が難しかったので中央端子と両端間に33Ω1Wを取り付けた。
 NFBは9.5dB、DFは9.5(ON/OFF法)であった。
 高域補償回路が改造前と同じのままでは高域に大きなピークが発生したので、初段プレートに積分型、OPT2次側にゾベル型補償回路を取り付けた。 容量負荷時の矩形波変化は余り良好とはいえないが、改造前よりはかなり良くなった。 60KHZ辺りで−3dBとなり、100KHZ以上ではかなり大きな山谷が見られるが、これはOPTの特性と思われる。
 20HZにおけるノンクリップ最大出力は中域の約30%程度しか得られていないのはOPTが磁気飽和を起こしている模様で、50HZ15Wの規格を満たしてない。



内部配線


背  面






LCH 8Ω 1W 矩形波
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)

RCH 8Ω 1W 矩形波
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)












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