直結カソードCHドライブ2A3シングルアンプ4号機 平成29年2月26日 直結カソードCHドライブ2A3シングルアンプ4号機 《 はじめに 》 昨年オークションで落札したラックス製OPTSS5B2.5を使用してこのアンプを製作した。 回路構成は昨年自作した直結カソードチョークドライブ2A3シングルアンプ3号機とほぼ同じである。 《 使用部品 》 OPTはラックス製SS5B2.5、電源トランスはタンゴ製LH−150、CHコイルは山水製10H150mA、カソードCHはノグチトランス製PMC−80H(80H8mA)使用した。 出力管はソブテック製2A3、前段は東芝製6AN8、整流管は松下製6CA4を使用した。 ケースは奥澤製O−9(シルバーメタリック塗装)に、旧スズラン堂製と思われるボンネットカバーと底板を取り付けた。 《 回路構成 》 B電源整流にはダイオードではなく整流管(6CA4)を使用したが、この球のHK間耐圧は450Vまで許容されているので、6AN8と共用した。 初段は6AN8の5極部で利得を稼ぎ、3極部で直結カソードCHフォロアードライブとした。 2A3のヒーターは6.3Vをブリッジ整流し、DC−DCコンバーターで2.45Vに調整して供給したので、ハムバランサーは使用していない。 DC-DCコンバーターは基板に取り付けた状態で高さが35o程度となり、シャーシー(O−9は深さ40o)内部に取り付けることが難しい。 そこで、前面と上面にパンチング材を使ったケースを製作し、シャーシー上面に取り付けた。 《 最大出力、測定結果 》 1KHZでは入力0.47V時に最大出力4.8Wが得られた。 低域で最大出力が低下していることはシングルアンプの宿命と思われる。 周波数特性は10HZで−0.8dB、70KHZで−3dBと優秀である。 高域補償はOPT2次側のゾベル回路(0.1μF、15Ω)のみであるが、高域特性は非常に素直な特性が得られ、やはり3次巻き線からのNFBは非常に効果的である。 ひずみ率は左右で少し違いがあるが100HZ、1KHZ、10KHZで同じような曲線を描いている。 クロストーク特性が70dB前後となりR→Lのデータが悪い原因は残留雑音と思われる。 NFBは10dB、DFは4.8(ON/OFF法)であった。NFB量と比較してDF値があまり小さくない原因は2.5KΩ負荷のためと思われる。 《 その他 》 残留雑音が少し多い原因はDC−DCコンバータの残留スイッチング雑音(周波数は100KH付近)でハム音ではないので、SPに耳を近づけても全く聞こえない。 OPT2次側に0.1μFを挿入すればLCH0.17mV、RCH0.14mVまで低下する。 2A3のヒーター電源に使用したDC−DCコンバーターは入力8Vで出力3Vの規格であり、5V以上の電圧差が必要である。 そのため、6.3Vをブリッジ整流する場合に通常のシリコンブリッジを使用したのでは入力電圧が低くなり、出力電圧2.5Vが得られない場合があるので注意が必要である。 電圧降下が少ないショットキーバリアダイオードブリッジを使用するのがベターである。 ボンネット付き 内部配線 背 面 |
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