直結カソードCHドライブ2A3シングルアンプ6号機   平成29年4月27日 


直結カソードCHドライブ2A3シングルアンプ6号機


 このアンプに使用したカソードチョークの特性が悪く、低域の再生能力が不十分であった。 そこで電源トランスを交換し、直結カソードフォロアードライブ方式に改造した。 改造後のアンプはここ



《 はじめに 》

 このアンプは6台目となる直結カソードチョークドライブ2A3シングルアンプである。
 回路構成は直結カソードチョークドライブ2A3シングルアンプ2号機とほぼ同じで、シャーシーを新たにして作り替えたものである。

《 使用部品 》
 出力トランスはTSM Products製15W型、電源トランスはSEL製SD−100とノグチ製PM−H1、CHコイルはラックス製4BC−5、カソードCHは西崎電機特注の50H20mAを使用する。 出力管はマツダ製2A3、初段はEF−86、カソードフォロアー段は12AU7(どちらもシルバニア製)を使用する。 ケースは奥澤製O−8(シルバーメタリック塗装)に、水性ニスを塗った側板と通風孔を開けた底板を取り付ける。 OPTはギャレットオーディオで購入したトランスケースに納め、ゴム系シリコン充填剤を注入して使用する。

《 回路構成 》
 初段はEF−86の5極動作で利得を稼ぎ、12AU7パラ接続直結カソードCHフォロアーで2A3をドライブする。 使用したカソードCHの直流抵抗が約700Ωのため直列に抵抗を挿入して12AU7の動作点を調整している。
 2A3は5KΩ負荷とする。通常は2.5KΩであるが、A2級ドライブでは、少しロードラインを寝かせた方がスイング領域が広がって、歪率の低下が見込める。
 2A3のヒーターは交流点火である。SD−100は電流容量が100mAのため、コンデンサーインプットでは電流容量が不足する。 そこで、380V100mAを6CA4で整流後、CHインプットとする。これで電流容量不足を解消できる。

《 最大出力、測定結果 》
 1KHZでは入力0.85V時に最大出力4.2Wが得られた。 直結カソードチョークドライブの効果で通常のCR結合ドライブよりは少し大きい最大出力が得られたが、6CA4のCHインプットではプレート電圧が243V程度となるため少し低下した。 5AR4を使用すれば5W程度まで増加すると思われる。 20HZにおける最大出力は中域の18%程度まで低下しているが、使用したOPTの低域特性があまり良くない影響と思われる。 周波数特性は10HZで−3dB、70KHZで−3dBとなった。
 ひずみ率は左右で少し違いがあるがまずまずの特性である。 残留雑音が0.5mVで交流点火ではこの程度が限界と思われる。 クロストーク特性は低域で少し悪化しているが、特に問題ないレベルである。
 NFBは約6dB、DFは7前後(ON/OFF法)であった。利得差を修正するためNFBを加減した影響でDF値が左右でわずかに異なっている。
 2A3はプレート電圧243V、プレート電流58mA、プレート損失14.1Wで少し控えめに設定した。

《 その他 》
 回路構成もほとんど同じにも拘わらず最大出力が低下した原因は、整流管(6CA4)を使用したため、プレート電圧が低下した影響と思われる。



内部配線


背  面






LCH 8Ω 1W 矩形波
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)

RCH 8Ω 1W 矩形波
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)












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