直結カソードフォロアードライブ2A3シングルアンプ   平成28年1月6日 


直結カソードフォロアードライブ2A3シングルアンプ(ボンネットを外した状態)


《 はじめに 》
 昨年自作した直結カソードCHドライブ2A3シングルアンプが好結果を得られたので、今回はカソードCHではなく抵抗を使用した直結カソードフォロアードライブとする。 カソードフォロアードライブではマイナス電源が必要になり、少し複雑になる。

《 使用部品 》
 OPTは春日KA‐6625S、電源トランスはノグチPMC−150M、CHコイルはノグチPMC−518Hを採用した。 シャーシーは奥澤O−9にリードMK−350のボンネットと底板を取り付けて使用したが、ボンネットの高さが2A3よりも低いためソケットをシャーシーに落とし込みとした。 シャーシはアルミ用エナメル(シルバー)塗料を吹き付けて使用した。エナメル塗装はアクリル塗装よりも硬化が早く仕上がりも丈夫で使いやすい。 初段球にはEI製6BL8、出力管2A3には東芝(マツダ)製を使用した。

《 回路構成 》
 初段は6BL8の5極管接続で利得を稼ぎ、3極部は直結カソードフォロアーとした。 カソードフォロアー段のマイナス電源は70Vタップからの半波整流では少し不足するので、今回は70Vを半波倍電圧整流とした。
 2A3の規格表で負荷抵抗は2.5KΩとなっているが、今回も3.5KΩとした。A2級ドライブでは少し大きくした方が歪率の低下、最大出力の増加が期待できる。
 無信号時のプレートカソード間電圧250V、プレート電流60mA、プレート損失15Wとなって、丁度規格一杯となっている。
 2A3のカソード抵抗に800Ωを使用しているため、そのままではバイアスが少し深すぎる。そこでカソードフォロアー段を固定バイアスとし、カソード(2A3グリッド)対アース間電圧をプラスに出来るようにした。 これで、球を変えても2A3のプレート電流を60mAに合わせることが可能である。

《 最大出力、測定結果 》
 1KHZでは入力0.8V時に最大出力5Wが得られたが、100HZ以下、10KHZ以上ではでは少し低下している。 それでも、40HZから20KHZまでは3Wをカバーしているが、PMF−10WSの方が帯域が広いようである。 0.7W出力時では10HZ−0.8dB、100KHZ−3dBとかなり広帯域である。
 前回使用したバランス調整用VR(50Ω3W)は巻き線の線径が大きいためか、微調整が難しかったので、今回は100Ω1.5Wを使用し両側端子とセンター端子間に33Ω1Wを挿入した。 これにより緻密なバランス調整が可能となり、残留雑音は0.3mV未満に抑えることが出来た。
 NFBは7.8dB、DFは5.7(ON/OFF法)、1W時の雑音歪率は0.3%未満でシングルアンプとしてはまずまずの結果である。 クロストーク特性は残留雑音の影響を受け、約‐77dB以下は確認できないが、中域では‐85dB程度は取れていると思われる。
 OPTの個体差のため、RchのみNFB抵抗並列に250PFを挿入した。容量負荷時の矩形波変化は安定している。


ボンネット付


内部配線

背  面





LCH 8Ω 1W 矩形波
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)

RCH 8Ω 1W 矩形波
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)












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