直結カソードフォロアードライブ2A3シングルアンプ10号機
令和1年11月6日
直結カソードフォロアードライブ2A3シングルアンプ10号機
《 はじめに 》
先日落札したアンプシャーシーを再利用して、この2A3シングルアンプを自作した。
《 使用部品 》
電源トランスはラックス製8A54、OPTはタンゴ製U−808、CHコイルはゼネラルトランス製PMC−817(8H170mA)を使用する。
出力管はEH製2A3Gold、初段は6U8Aの5極部、カソードフォロアー段は同3極部、整流管は5AR4を使用する。
ケースは中古鉄製シャーシーに黒色つや消し塗装を施し、木製側板、ゴム足付き鉄製底板を取り付けて使用する。
《 回路構成 》
初段は6U8Aの5極部で利得を稼ぎ、3極部で直結カソードフォロアーとして2A3を低インピーダンスドライブする。
一般に2A3の負荷抵抗は2.5KΩが標準であるが、A2級アンプでは3.5KΩとしたほうが低ひずみ大出力が得られる。
実測による動作点はプレート電圧252.5V、プレート電流59.5mA、無信号時のプレート損失は14.94Wとなった。
出力段のカソード抵抗800Ω(実測786Ω)の自己バイアスと固定バイアスとの折衷型とする。
カソードフォロアー段のバイアス電圧を調整することにより2A3のプレート電流を増減することが出来るようにする。
B電源は290Vを5AR4で両波整流とした場合、少し高すぎたのでCHの上流に100Ω10Wを挿入して約330Vを供給する。
クロストークを改善するため、デカップリング回路は左右別とする。
カソードフォロアー段用のマイナス電源は260Vをシリコンダイオードで両波整流し、抵抗でドロップし−108Vを供給する。
ZD(RD−56F×2+RD−62F)は電源オン直後のみ動作し、ウォーミングアップ後は56V×2+62=174V未満に低下する。
これは電圧安定目的ではなく6U8AのHK間保護のためである。
この方がAC電源電圧変動に対して2A3のプレート電流変動を抑えることができる。
2A3は秋月のDC-DCコンバーターを使った直流点火とする。
このコンバーターは出力電圧が可変となっているので300Bにも使用できて便利である。
ヒーター直列に0.1Ω5W抵抗を挿入しているが、コールドスタート時にコンバーターの過電流遮断機能が動作しないよう突入電流抑制ためであり、省略できない。
《 最大出力、測定結果 》
1KHZでは入力0.83V時にノンクリップ最大出力5.2Wが得られた。20HZでは中域の54%の最大出力となり、まずまずの低域特性となった。
高域遮断(−3dB)周波数は80KHZ付近で、容量負荷時の10KHZ矩形波応答は問題ない。
100HZの歪率が1KHZ、10KHZと比較して少し悪いが、1Wでも0.3%未満となりシングルアンプとしては比較的良好に仕上がった。
NFBは6dB、DFは4.9、残留雑音は左右とも約0.2mVであった。
背 面
内部配線
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