直結カソードフォロアードライブ2A3シングルアンプ2号機   平成28年10月14日 


直結カソードフォロアードライブ2A3シングルアンプ2号機


《 はじめに 》
 このアンプは先月自作した直結カソードCHドライブ2A3シングルアンプ3号機をカソードフォロアードライブに改造したものである。 外観に全く変更はなく、100HZの歪率が不思議な曲線を描いていたものが改善されないか、また、カソードCHドライブとカソードフォロアードライブの比較実験も兼ねている。

《 使用部品 》
 使用部品はPMC−80H(80H8mA)を取り外したのみで、他の部品はすべて流用した。

《 回路構成 》
 電源トランスB端子にある70Vを半波倍電圧整流してマイナス電源を組み込んだ。 カソードフォロアー段には定電流ダイオードではなくカソード抵抗を用いた。 ドライブ電圧がピーク値で50V以上になる可能性があるため、安全のため定電流ダイオードの使用は避けることにした。

《 最大出力、測定結果 》
 1KHZでは入力0.85V時に最大出力4.4Wが得られた。 しかし、100HZひずみ率の曲線は変化なく、今回は100HZ、1KHZ両方重視したものとした。
 100HZの歪率が異常なカーブを描く原因は100HZでOPTが誘導性となり、ロードラインが直線ではなく楕円になることが原因と思われる。 100HZの矩形波応答を見ても上下対称となっていないことがわかる。
 周波数特性では高域に小さなピークが見られるが(特に右CH)10KHZ矩形波応答にもその影響が表れている。
 NFBは8.3dB、DFは7.2(ON/OFF法)であった。初段SG電圧を少し低く設定したため利得が下がった影響で、NFBがわずかに減少し、DFも小さくなった。

《 その他 》
 残留雑音が少し多い原因はDC−DCコンバータの残留スイッチング雑音(周波数は100KH付近)と思われる。 底ぶた(鉄製)を外せば0.5mV未満まで下がるという不思議な現象が起きているが、底ぶたによりDC−DCコンバーターのチョークコイルが影響を受けているのではないだろうか。
 2A3のヒーター電源に使用したDC−DCコンバーターは入力DC8V以上となっている。 そのため、6.3Vをブリッジ整流する場合に通常のシリコンブリッジを使用したのでは入力電圧が低くなり、出力電圧2.5Vが得られない場合があるので注意が必要である。 電圧降下が少ないショットキーバリアダイオードブリッジを使用するのがベターである。
 カソードCHとカソードフォロアーの比較ではほとんど変化はなかった。NFBがわずかに減少した影響か、10KHZ矩形波応答はカソードフォロアーの方が優れていると思われる。



ボンネット付き


内部配線(カソードチョークを外した後に6Pラグ板を取り付けた)


背  面






LCH 8Ω 1W 矩形波
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)

RCH 8Ω 1W 矩形波
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)












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