SRPPドライブ2A3シングルアンプ2号機      令和3年7月6日 


SRPPドライブ2A3シングルアンプ2号機


《 はじめに 》
 このアンプは岡山のHA氏からの依頼で2CHマルチアンプシステムの高能率ツイーター用として製作した。

《 使用部品 》
 OPTはソフトン製RW−20、電源トランスとCHコイルはともにゼネラルトランス製PMC−170SH、PMC−1018H(8H170mA)を使用する。
 出力管はジムテック製2A3、初段はTAD製とソブテック製12AX7A、整流管はタングソル製5Y3-GTを使用する。 ケースは奥澤製O−9(350×200×60)にシルバーメタリック塗装を施し、木製側板、ゴム足付きアルミ製底板を取り付ける。
 RW−20がシルバーハンマートーン仕上げであったので、PT、CHも同じシルバーハンマートーンで揃えた。

《 回路構成 》
 初段は12AX7AのSRPPとし2A3を低インピーダンスドライブする。
 一般に2A3の負荷抵抗は2.5KΩが標準であるが、RW−20の1次インピーダンスは2.7KΩ/5KΩ、2次インピーダンス6Ωである。 6Ω端子に8Ω負荷を接続したときの1次インピーダンスは2.7KΩ×8÷6=3.6KΩとなる。
 実測による動作点はプレート電圧242V、プレート電流54mA、無信号時のプレート損失は約13Wとなっている。
 出力段はのカソード抵抗750Ωの自己バイアスで、ほぼ標準的回路である。 入力容量の大きい直熱管は低インピーダンスドライブとしなければ高域の減衰が大きくなるので注意が必要である。
 B電源は290Vを5AR4で両波整流とした場合、少し高すぎるので5Y3−GTを採用する。 また、クロストークを改善するため、デカップリング回路は左右別とする。
 2A3は交流点火とし、33Ωをハムバランサーの端子間に挿入している。これによりハム電圧最小位置の設定が容易となる。

《 最大出力、測定結果 》
 1KHZでは入力0.69V時にノンクリップ最大出力3Wが得られた。 20HZでは中域の11%の最大出力となり、低域特性は少し貧弱である。
 NFBは3dBで控えめに設定した。DFは4.5、残留雑音は左右とも約0.55mVであった。
 高域遮断(−3dB)周波数は54KHZ付近となった。 高域補償回路はOPT2次側のゾベル回路のみであるが、NFBを少なく設定した影響で容量負荷時の10KHZ矩形波応答は問題ない。
 初段をSRPPにした結果、2A3との2次歪打ち消し動作が出来ていないので歪率は良好とはいえない結果となった。



背  面


内部配線








LCH 8Ω 1W 矩形波
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)

RCH 8Ω 1W 矩形波
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)












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