直結カソードフォロアードライブ45シングルアンプ            令和5年1月24日 


直結カソードフォロアードライブ45シングルアンプ


《 はじめに 》
 令和4年にナス管の245シングルアンプを製作したが、今回はST管の45シングルアンプとする。
45の動作例は下表の通りであるが、プレート電圧250Vにおける最大出力は1.6Wどまりと少し小さい。



《 使用部品 》
 トランス類はすべて旧ノグチトランス製でまとめ、PMF−15WS、PMC−170SH、PMC−1018HWを使用する。
色合いもすべてシルバーハンマートン塗装である。 PMC−170タイプのB電源容量は少しオーバースペックで100mAもあれば十分である。 しかし直熱管シングルで整流管使用となると前段用と合わせて計4組のヒーター巻き線が必要となり、適当な製品は販売されていない。
 出力管の45はSYLVANIA製とPHILCO製を使用する。メーカーは異なるが電極構造は同じである。 初段とカソードフォロアー段はEI製6BL8、整流管は東芝製80を使用する。  ケースは奥澤O−9(350×200×60)を使用し、シルバーメタリック塗装を施して、両サイドに水性ニスを塗った木板を取り付ける。

《 回路構成 》
 初段の6BL8の5極部で利得を稼ぎ、6BL8の3極管部で45を直結カソードフォロアードライブする。 出力管45はカソード抵抗1.5KΩによる自己バイアスであるが、ドライブ段を固定バイアスとし、出力管のバラツキを調整可能とする。
 45はDC−DCコンバーターによるDC点火、6BL8もDC点火とする。 6BL8の代わりに6U8Aも使用できるが、少し利得が小さくなる。
 前面にはNFBをOn-Off出来るロータリーSWを取り付ける。

《 最大出力、測定結果 》
 1KHZにおける最大出力は無帰還時では入力0.36V、NFB4dB時では0.58Vで約3Wが得られた。 20HZにおける最大出力は中域の32%程度まで低下しているが、シングルアンプとしてはまずまずの低域特性が得られた。
 周波数特性は10HZ無帰還で−4dB、NFB4dBでー2.2dB、高域は無帰還で55KHZ、NFB4dBで75KHZ付近でー3dBとなった。
 ひずみは多めであるが、直熱管の特有の先端が丸くなるクリップ波形(特に上段)を示していた。 低出力時の右CH歪率が悪い原因は球の劣化と思われる。バイアス電圧にも2V程度の差が見られた。
 無帰還時の残留雑音はLCH0.15mV、RCH0.18mV、NFB4dBではLCH0.1mV、RCH0.12mVで良好であった。 無帰還でも0.2mVを下回っていたが、6BL8をDC点火した効果ではないだろうか。
 無帰還時のDFは2、4dBのNFB時は3.5(ON/OFF法)であった。

《 その他 》
 ビンテージ管では特性の揃った球は高価で入手が難しい。このアンプでも左右で歪率特性に差が見られた。 1KHZではA2級動作の効果で約2倍の最大出力が得られたが、実力は2W程度ではないだろうか。



内部配線


背  面


底  面






LCH 8Ω 1W 矩形波 無帰還
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)

RCH 8Ω 1W 矩形波 無帰還
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)

LCH 8Ω 1W 矩形波 NFB:4dB
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)

RCH 8Ω 1W 矩形波 NFB:4dB
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)














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