直結カソードフォロアードライブ6B4Gシングルアンプ   平成30年4月16日 


直結カソードフォロアードライブ6B4Gシングルアンプ


《 はじめに 》

 平成28年3月に6BG4PPアンプを自作した際の6B4Gが1ペアー余っていたので、これを使ったシングルアンプを自作することにした。
 使用した6B4Gは一般的な直熱3極管ではなく、GT型でヒーターは傍熱タイプである。ヒーターは2番7番ピンでカソードは7番に接続されている。 しかも、純3極管ではなく、多極管を3極管接続に改造したもので、6CA10と同タイプと思われる。

《 使用部品 》

 OPTは春日製KA−6625S、CHコイルは山水製C−5−150(5H150mA)、電源トランスも同じく山水製PV−145を使用する。 CHコイルと電源トランスは錆が浮いていたのでサンドペーパー処理後、黒色艶消し塗装をして使用する。
 使用真空管はシルバニア製6B4G、RCA製6AU6、松下製12AU7Aである。 ケースは奥澤製O−10を使用し、穴あけ加工後にアルミ用シルバーメタリックスプレーを施ている。 それに中古リード製MK−350のボンネットを取り付ける。取り付け金具はMK−350から取り外したものを再利用する。

《 回路構成 》

 6AU6は5極管接続で利得を稼ぎ、12AU7A(パラ)による直結カソードフォロアードライブで6B4Gをドライブする。 B電源は125Vを両波倍電圧整流して約340Vを供給、マイナス電源は32Vと6.3Vを直列にし両波倍電圧整流し、約−100Vを供給する。
 6B4Gのヒーターはカソードが管内で接続されているため、左右別でしなければならない。 6B4Gのバイアス電圧はカソードバイアス46V、カソードフォロアー段固定バイアスで−3V、計49Vに設定する。
 無信号時のプレート入力は14.9W(259V×0.0575A)で規格内に収まっている。 初段と出力段で歪の打消し動作を行わせている関係で、6AU6のSG電圧は60V以下に設定している。

《 最大出力、測定結果 》

 1KHZでは入力0.83V時に最大出力約5Wが得られた。 20HZでは中域の30%程度に低下しているが、シングルアンプではこんなものであろう。 残留雑音の影響を受けて低出力時の歪率が悪化しているが、歪打消し動作の効果が表れているようである。 100HZの歪率が悪い原因は6B4Gのカソードがヒーターに接続されている影響と思われる。
 周波数特性では200KHZ付近までピークやディップは発生していない。
 NFBは10dBで少し多めに設定した。 残留雑音は1mVで少し多めであるが、きれいな60HZ波形のためかほとんど気にならない。 DFは5.7(ON/OFF法)であった。
 クロストーク特性は超低域で少し悪化しているが、ほぼ−68dBとなった。

《 その他 》

 入力容量の大きい3極管出力管を直結カソードフォロアードライブすることは高域特性の改善、最大出力の増加が期待できる優れた方法である。



ボンネット付


内部配線


背  面






LCH 8Ω 1W 矩形波
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)

RCH 8Ω 1W 矩形波
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)












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