直結カソードフォロアードライブ6BQ5(T)シングルアンプ 令和3年8月18日


直結カソードフォロアードライブ6BQ5(T)シングルアンプ


《 はじめに 》

 6BQ5シングルアンプは40年ほど前に自作したのみで、その時は5極管接続であった。 今回は3極管接続で製作する。
 6BQ5(3結)シングルの動作例は下表のとおりであるが、プレート電圧250Vにおける最大出力1.95Wとなっている。



 そこで今回は直結カソードフォロアードライブA2級動作で検討する。A2級ドライブすればかなりの最大出力増加が見込める。

《 使用部品 》

主要部品は下記の通り。
 品  名 型  式 メーカー 備  考
 OPT U−608 タンゴ 中古品
 電源トランス N−12 タンゴ 中古再塗装品
 CHコイル PMC−518H ゼネラルトランス 新品
 シャーシー O−10 奥澤 350(W)×200(D)×40(H)
 出力管 6BQ5 東芝 未使用品
 初段、ドライブ段 6AW8A Philips  未使用品
 整流管 6CA4 NEC 未使用品

 電源トランスの銘板が付属していなかったのでエクセルで紙に印刷し、クリアーラッカーを吹き付けたものを貼りつけた。

《 回路構成 》

 B電源は250Vの両波整流で約300Vを供給する。 マイナス電源は220Vを0.22μFと22KΩで分圧し、ダイオードによる半波整流で−33Vを供給する。 6AW8Aはヒーターカソード間の漏洩電流が多い傾向が見られたので、直流点火とする。
 6BQ5の無信号時プレート損失は 10.95W で、許容プレート損失12Wに対して91%となった。
 回路図の6BQ5カソード電圧は10.9Vであるが、グリッドがプラスのため実際のバイアス電圧はLCH−9.93V、 RCH−10.67Vとなり、少し左右で違いが見られる。未使用品ではあるがペアーチューブではないためである。

《 最大出力、測定結果 》

 1KHZでは入力約0.4Vで最大出力3Wが得られ、動作例の1.54倍となった。 しかし、低域の最大出力はかなり低下し、しかも左右で異なっていた。原因はLCHOPTのコアー空隙の影響で鉄心が磁気飽和を起こしていると思われる。 これはOPTの交換しか方法がないが、U−608は入手困難である。
 歪率は1W時0.6〜1.2%程度でソフトディストーションカーブを描いている。
 周波数特性は100KHZで−3dBとなり高域特性は優れている。 NFBは11dB、残留雑音は0.07mV、DFは8であった。6AW8Aを直流点火とした効果で極めて低雑音アンプに仕上がった。

《 その他 》

 カソードフォロアー段プレート回路に挿入しているZDは、最大出力付近での出力管グリッド電流増加に対応するためである。



背     面


内 部 配 線





LCH 8Ω 0.7W 矩形波
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)

RCH 8Ω 0.7W 矩形波
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)









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