直結カソードフォロアー6DQ5(3結)シングルアンプ   平成24年9月11日


直結カソードフォロアー6DQ5(3結)シングルアンプ


《 はじめに 》
 このアンプは昨年製作した直結カソードフォロアー6HJ5(3結)シングルの終段を6DQ5(3結)に交換したものである。 6HJ5の手持ちは2本のみで特性がかなり不揃いであった。また、カソードチョークの影響で容量負荷時のリンギングが少し大きく、少し不満が残っていたので、改造することにした。

《 使用部品 》
 リードMK−400(サイズ400×250×50)、電源トランス(三重の西崎電機特注品)、CHコイル(タンゴMC−3−350)、出力トランス(PMF-20W-600S)などの主要部品はすべて6HJ5シングルアンプのものを流用した。
 6DQ5は東芝製のものを使用した。許容プレート損失24Wであるから、6HJ5とほぼ同じ出力が得られると思われる。初段とカソードフォロアー段にはそのまま6U8を使用する。カソードチョークもそのまま使用する。

《 回路構成 》
 単に終段を交換したのみであるから、回路構成はほとんど同じであるが、初段SG電圧を出力3W時の歪最良点で調整した。
 OPTは前回と同じで1次1KΩの接続とした。多重ループ帰還回路もそのままであるが、6DQ5の3結時μが小さい影響か、プレートから初段カソードへのNFBは約3dBに減少した。 OPT2次側からのNFBも帰還抵抗を1KΩから2.2KΩに変更した影響で約6dBに減少した。

《 最大出力、測定結果 》
 LRch共、入力電圧約0.8Vでクリップ開始出力7.4W(1KHZ)が得られた。無信号時におけるプレート損失は23.1W、最大損失24Wに対して96%である。
 NFBは内側ループに2.8dB、外側ループに5.9dB、計8.7dBがかかっている。 NFBが減少した結果、容量負荷時のリンギングは小さくなったが、残留雑音はLCH0.24mV、RCH0.15mVで少し増加した。
 NFBを減じたにも関わらず1KHZ、10KHZで中出力時の歪率がかなり低下した。100HZでは増加。 ダンピングファクターは5.7(オンオフ法)であった。
 高域の周波数特性では250KHZ付近に小さなディップが発生しているが概ね良好である。

《 その他 》
 PMF−20W−600Sの1次インダクタンスは1.2Hである。 そのため、出力管内部抵抗を可能な限り低くしなければ低域特性が悪化する。 6HJ5(3結時)のμが4.2であるのに対して6DQ5(3結時)は3.3である。 その影響でプレートから初段カソードへのNFBが減少し、内部抵抗があまり低下していないと思われる。 そのため出力段時定数が小さくなり、100HZの歪率があまり芳しくない。DF値も少し低下した。
 しかし、マルチアンプ方式の中高音用として最適のアンプではないだろうか。



カバーを取りつけた状態


背  面


内部配線





LCH 8Ω 1W 矩形波
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)

RCH 8Ω 1W 矩形波
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)









inserted by FC2 system