直結カソードフォロアードライブ6FM7シングルアンプNo.2   令和5年1月4日 


直結カソードフォロアードライブ6FM7シングルアンプNo.2


《 はじめに 》

 6FM7を使用したA2級シングルアンプは今回で2台目となる。1台目はここ

《 使用部品 》

 電源トランスはタンゴ製ST−130、OPTはARITO's Audio Lab製SE−5K4W、CHコイルはラックス製4605を使用する。
 使用球はRaytheon製とWestinghouse製の6FM7、松下製6AU6、東芝製6CA4の5本である。
ケースは奥澤製O−17(300×200×40)にシルバーメタリック塗装を施し、両サイドに黒色スプレー塗装した木板を取り付ける。

《 回路構成 》

 電源部以外は1号機とほぼ同じ回路構成とする。 B電源は135Vタップから6CA4とシリコンダイオードを使ったハイブリッド型倍電圧整流で供給する。 マイナス電源は30Vを半波3倍圧整流して−104Vを供給する。

《 最大出力、測定結果 》

 1KHZでは入力0.52V時にノンクリップ最大出力3.2Wが得られた。 20HZにおける最大出力は中域の40%まで低下していたが、SE−5K4Wの低域特性はなかなか優秀である。
 周波数特性では300KHZ付近にディップが発生していた。 高域遮断(−3dB)周波数は88KHZ付近となった。また、容量負荷時の10KHZ矩形波応答もまずまずの結果が得られた。
 1KHZの歪率はシングルアンプとしては良好な結果が得られたが、100HZと10KHZは少し多い。 クロストークもシングルアンプとしては優秀である。
 NFBは5dB、残留雑音はLCH 0.12mV、RCH 0.1mVで優秀、DFは3.8であった。
 無信号時の出力管のプレート損失は9.4Wで、許容プレート損失内に収まっている。

《 その他 》

 こんな小さな複3極管で2A3シングルに匹敵する最大出力が得られ、もっと活用されるべきと思う。 直線性は悪いが、初段との歪打ち消し効果で十分低歪とすることができる。ただしバラツキが大きいので複数個購入して選別する必要がある。 価格は2A3の1/6と廉価であるので2ペア購入しても安い。
 直結カソードフォロアードライブは最大出力増加のみでなく、低インピーダンスドライブによる高域特性改善に効果がみられ、入力容量の大きい3極管のドライブには適している。



背  面


内部配線







LCH 8Ω 0.7W 矩形波
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)

RCH 8Ω 0.7W 矩形波
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)












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