直結カソードフォロアー6GA4シングルアンプ3号機   令和4年10月12日 


直結カソードフォロアー6GA4シングルアンプ3号機


《 はじめに 》
 先日落札した中古アンプに東芝製6GA4とラックスSS5B5が使用されていた。 そこでこれらの部品を使ってシングルアンプを自作することにした。

《 使用部品 》
 OPTはラックス製SS5B5、CHコイルはゼネラルトランス製PMC518H(5H180mA)、電源トランスは山水製J−120を使用する。
 使用真空管は東芝製6GA4、東芝製6U8A、メーカー不明(RCA?)5Y3-GTである。 ケースは奥澤製O−9にアルミ用シルバーメタリックスプレーを施し、サイドには水性ニスを塗った木板をねじ止めする。

《 回路構成 》
 6U8Aの5極部で利得を稼ぎ、3極部にCRD(E−202)組み合わせた直結カソードフォロアーで6GA4をドライブする。
B電源は300Vを両波整流して約316Vを供給する。 マイナス電源はPTの300V端子から0.22μFと30KΩで分圧、ダイオードで半波整流して−65Vを供給する。
 6GA4はほぼ自己バイアスとし、カソードフォロアー段は固定バイアスで、6GA4のプレート電流が調整できる回路とする。 6GA4のグリッドは+1V程度で実質のバイアス電圧は約17.5Vとなり、バイアスは少し浅くなっている。 6GA4が少しエミ減を起こしていると思われる。 無信号時のプレート入力は12.46W(265V×0.047A)で規格内に収まっている。
 SS5B5にはNFB巻き線が付属しているのでこれを使用する。 6U8Aはヒーターカソード間漏洩電流の影響を避けるため、初めから直流点火とする。 そのための出費は僅かである。

《 最大出力、測定結果 》
 1KHZでは入力0.56V時に最大出力約4.5Wが得られた。左CHの低域出力が低下している原因はOPTの影響と思われる。 LCHの100HZ歪率もRCHより悪くなっていた。
 LCHの周波数特性では200HZ付近と400KHZ付近にピークが発生していた。RCHは400KHZ付近のみの発生であった。 10KHZ矩形波にもその影響が表れていた。
 NFBは8.7dB、残留雑音は0.25mV以下で良好、DFは4.5(ON/OFF法)であった。 低域のクロストーク特性は良好とは言えないが、シングルアンプとしてはまずまずの結果が得られた。高域のクロスロークは良好であった。

《 その他 》
 プレート電圧265VにおけるA1級動作時の最大出力の計算値は2.6W程度であるが、A2級ドライブとした場合4.5Wに増加している。 約1.7倍以上が得られている。 3極管出力管を直結カソードフォロアードライブすることは最大出力増加には非常に有効な手段である。 使用したSS5B5(LCH)の特性が芳しくない。もう1台入手して交換した方が良いかも知れない。



内部配線


背  面






LCH 8Ω 1W 矩形波
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)

RCH 8Ω 1W 矩形波
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)












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