直結カソードフォロアー6GA4シングルアンプ2号機
平成29年8月13日
直結カソードフォロアー6GA4シングルアンプ2号機
《 はじめに 》
手元に余った東芝製6GA4が3本あったので、チェックしたしたところ、1本は劣化していたが残り2本は使えそうであった。
そこで、これを使ったシングルアンプを自作することにした。
《 使用部品 》
OPTはラックス製SS5B5、CHコイルは大阪高波製5H150mA、電源トランスも同じく大阪高波製P−120を使用する。
SS5B5は錆が浮いていたのでサンドペーパー処理後、黒色艶消し塗装をしている。
使用真空管は東芝製6GA4、GE製6SJ7(メタル管)、TEN製6SN7、松下製5CG4である。
5CG4は傍熱管で直熱管の5Y3GTと同等品とのこと。
ケースは奥澤製O−8にアルミ用シルバーメタリックスプレーを施し、サイドには水性ニスを塗った木板をねじ止めする。
出力段バイパスコンデンサーには120μF500VMPコンデンサーを使用する。
また、カップリングコンデンサーにはテフロン製コンデンサーを使用する。
このコンデンサーは巨大なため、アルミ板を加工した取り付け金具で取り付ける。
《 回路構成 》
6SJ7で利得を稼ぎ、6SN7にCRD(E−202)組み合わせた直結カソードフォロアーで6GA4をドライブする。
B電源は280Vを両波整流して約300Vを供給する。
マイナス電源はPTの250V端子から0.22μFと24KΩで分圧、ダイオードで半波整流して−78Vを供給する。
6.3V端子にセンタータップが出ているのでハムバランサーは使用せず、CTに41Vのヒーターバイアスを掛ける。
6GA4は自己バイアス11Vと固定バイアス約7Vの折衷型である。無信号時のプレート入力は12.35W(247V×0.05A)で規格内に収まっている。
SS5B5にはNFB巻き線が付属しているのでこれを使用する。
《 最大出力、測定結果 》
1KHZでは入力0.8V時に最大出力約4Wが得られた。
20HZでは中域の45%程度に低下しているが、シングルアンプではこんなものであろう。
ひずみ率は決して良好とはいえないが、所謂ソフトディストーションタイプとなった。
周波数特性では400KHZ付近に小さなピークが発生しているが問題は無いと思われる。
NFBは11dBで少し多めに設定した。残留雑音は0.05mV以下で非常に良好、DFは5.1(ON/OFF法)であった。
高域のクロストーク特性は良好とは言えないが、双3極管で左右のカソードフォロアー段を構成したことが影響しているのではないだろうか。
20HZのクロストーク値が非常に低くなっている理由は良く分からない。
《 その他 》
カップリングコンデンサーに使用したテフロン製はアルミチューブに収められているため、対グランド容量が大きくなり、高域の低下が少し早いと思われる。
下の内部写真を参照。
カソード抵抗(220Ω5W)並列のバイパスコンデンサー(1000μF)を撤去する、あるいは小さくすると低域のクロストークが増大するので注意が必要である。
220μFでは低域のクロストークが多くなった。
プレート電圧が250Vを下回っているため、CR結合では2W程度の最大出力となるところが、直結カソードフォロアードライブでは2倍の4Wに増加した。
3極管出力管を直結カソードフォロアードライブすることは最大出力増加には非常に有効な手段である。
内部配線
背 面
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