直結カソードフォロアー6GA4スーパーKNFBシングルアンプ   平成23年11月1日 


直結カソードフォロアー6GA4スーパーKNFBシングルアンプ


《 はじめに 》
 平成23年5月に製作した6GA4シングルアンプを長嶋氏考案のスーパーKNFBシングルアンプに改造した。

《 使用部品 》
 OPTは1次側タップに7KΩ、5KΩ(3.5KΩ、2.5KΩ)のタップが出ているユニバーサル型でなければ使用できない。 SGタップ付きのものでは帰還電圧が高くなりすぎでドライブが困難となる。
 候補としてはノグチトランスPMF−10WSかPMF−7WSがあるが、今回はPMF−10WSを採用した。
 PT、CHコイルもオーバースペックであったので、PTはB電源容量が280V/250V120mAであるINSTANT製P−120に、CHコイルも同じINSTANT製5H150mAに交換した。

《 回路構成 》
 スーパーカソードNFB方式ではB電源をOPT1次側中間タップから供給し、B端子をプレートに接続、反対側の端子を電解コンデンサーを介してカソードに接続する。さらにカソードとアース間にCHコイルを挿入する。 つまり、OPT1次側は一般の場合と逆接続となる。2段増幅でNFBを掛けたい場合はさらに2次側も逆にする必要がある。
 1次側7KΩ/5KΩ(3.5KΩ、2.5KΩ)のOPTではB端子−中間タップ間、中間タップ−プレート端子間の巻き数比は5.46:1と計算される。(インピーダンス比の平方根)
 これにより、OPT1次側出力電圧の18%がカソードに帰還されるが、最大出力4Wにおける帰還電圧は5KΩ負荷時で25.9Vに、2.5KΩ負荷時で18.3Vに達する。(いずれも実効値) 負荷抵抗が5KΩの場合は前段の設計に注意しなければならない。
 このアンプの場合、バイアス電圧は−18Vであるから、A2級ドライブを考慮した場合、実効値で14V前後のドライブ電圧が必要であり、さらに帰還電圧を加えたものが要求される。 したがって、5KΩ負荷時で実効値40V、2.5KΩ負荷時で同33V程度のドライブ電圧となる。
 カソードに挿入したCHの巻線抵抗値は194Ω前後であることから、直列に1KΩと390Ωを並列(280Ω)にして接続した。これによりカソードバイアス抵抗は474Ωとなっている。

《 最大出力、測定結果 》
 プレート電圧258.2(280V−21.8V)、プレート電流45.8mAの条件でプレート損失は11.8Wとなり、許容損失13Wの90%となっている。
 最大出力は入力電圧1Vで約4W(1KHZクリップ開始)が得られた。
 10KHZ矩形波応答はあまり芳しくないが、OPTの素性(オリエントコアーではない)とカソードCHコイルの存在が影響していると思われる。
 NFBは内外ループ合わせて9.3dB、DFはRch:8.1、Lch:9.1(ON/OFF法)、残留雑音はRch0.22mV、Lch0.19mVであった。 残留雑音が少し多い原因は出力段カソードが交流的にアースされていないためと思われる。

《 その他 》
 今回はクリッピングレベルを測定した。20HZにおける最大出力は中域の50%にとどまっているが、50HZでは中域の80%であることから、シングルアンプとしてはまずまずの低域再生能力と思われる。
 高域については周波数特性上に存在するピークとディップと同じ周波数でクリッピングレベルも増減している。
 直結カソードフォロアーとスーパーKNFB6GA4シングルアンプの比較は 「ここ」 



内部配線





LCH 8Ω 1W 矩形波
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)

RCH 8Ω 1W 矩形波
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)







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