ロフチンホワイト型6GF7Aシングルアンプ2号機
令和4年1月9日
ロフチンホワイト型6GF7Aシングルアンプ2号機
《 はじめに 》
複3極管である6GF7Aを使ったロフチンホワイト型アンプとしては2台目となる。
今回は初段をSRPPで構成し、出力管のグリッド電圧が上昇するタイミングを遅らせる方式とする。
さらに倍電圧整流回路をシリコンダイオードと整流管によるハイブリッド構成とする。
6GF7Aの第1ユニット、第2ユニットの規格は下表の通りである。
これによれば第1ユニットはμ64の高内部抵抗管、第2ユニットはμ5.4、内部抵抗750Ω、プレート損失11Wの垂直出力管である。
内部抵抗は2A3と同等となっている。
《 使用部品 》
電源トランスはタンゴ製ST−130、CHコイルもタンゴ製112(10H120mA)、OPTはゼネラルトランス製PMF−11WS−3.5Kを使用する。
使用球は6GF7A(GE製)2本、6AQ8(松下製)、6CA4(松下製)の4本である。
ケースは奥澤製O−10(350×200×40)にシルバーメタリック塗装を施し、両サイドに水性ニスを塗った木板を取り付ける。
《 回路構成 》
初段のSRPPは上段に6AQ8、下段に6GF7Aの第1ユニットを使用する。下表は6GF7A第2ユニットの動作点をプレート電圧180V、プレート電流42mA、バイアス電圧−24Vと仮定して、
プレート特性図上に3.5KΩロードラインを記入したものである。
それに基づいた最大出力は下の計算式の通りである。
(257−52) × (0.078−0.02) ÷ 8 ≒ 1.49(W)
さらにOPTの効率を93%とすればOPT2次側最大出力は
1.49(W)× 0.93 ≒ 1.39(W) となる。
B電源は135Vを6CA4とFRDによる倍電圧整流とし、339Vを供給する。
6CA4をダイオードに交換すれば350V程度となり、最大出力が増加すると思われる。
B電源が少し低いのでカソード電圧を125Vに設定する。
その時、プレート電圧305V、プレート電流42mA、バイアス電圧−24V付近となる。
ヒーター回路は6CA4と6AQ8には125V、6GF7Aには45Vのヒーターバイアスを掛ける。
これによりヒーターカソード間電圧は規格内となってる。
《 最大出力、測定結果 》
1KHZでは入力0.85V時にノンクリップ最大出力1.58W(Lch)、1.71W(Rch)が得られた。
上記計算結果を少し上回った原因は直結による効果と思われる。しかし、20HZにおける最大出力は中域の30%程度に低下していた。
それでも33HZから60KHZまで1Wをカバーし、シングルとしてはまずますの結果が得られた。
周波数特性では120KHZと230KHZ付近にディップが発生しているが概ね良好、低域遮断周波数は10数HZ、高域遮断周波数は62KHZ付近であった。
容量負荷時の10KHZ矩形波応答もまずまずの結果が得られた。
さすがに低歪とは言えない結果であったが、100HZ、1KHZ、10KHZとも同じようなカーブを描いている。
1Wを超えたあたりから偶数次の歪が多く発生している模様。
Lch歪率がRCHより多い原因は使用球の特性と思われる。
NFBはLCH7.3dB、RCH8dBで少し差があるが、利得の調整を行った結果である。
残留雑音はLCH0.17mV、RCH0.12mVで良好、DFは5.1(LCH)、5.4(RCH)あった。
DFの差はNFBが影響している。
無信号時の出力管のプレート損失は7.56Wで、最大プレート損失に対して69%程度と十分余裕のある動作である。
《 その他 》
最大出力1.5W強でもよほどの低能率SPでない限り、通常の使用状態では問題なく使用できた。
しかし、6GF7Aはバラツキの大きい球との印象である。
背 面
内部配線
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