EL−34(3結)シングルアンプ3号機   平成30年8月29日 


EL−34(3結)シングルアンプ3号機

《 はじめに 》
 これまで多くのシングルアンプを製作してきたがEL−34は直結カソードフォロアーULシングルと直結カソードフォロアー3結シングルの2台を自作したのみであった。 今回はCR結合の3極管接続で製作する。
 3極管接続時の動作例は右表の通り。
 これによればプレート電圧375V、プレート電流70mA、負荷抵抗3KΩの条件で最大出力6Wとなっている。

《 使用部品 》
 OPTはタンゴ製U−808、電源トランスはラックス製4A60、CHコイルはタンゴ製MC−5−250を使用する。
 ケースはノグチ製S−170にシルバーメタリック塗装を施し中古リードMK−350のボンネットを取り付ける。

《 回路構成 》
 初段は12AX7のSRPP、出力管はEL−34(3結)とする。B電源は350Vを5AR4で両波整流して供給する。
 動作例では負荷抵抗3KΩであるが、U−808では8Ω負荷時2.5KΩか3.5KΩのどちらかが選択出来るが、3極管シングルでは負荷抵抗が大きい方が低歪となるので今回は3.5KΩとした。
 動作例のカソード抵抗370Ωに対して387Ω(470Ωと2.2KΩ並列)に設定したので、プレート電流72mAから計算すればカソードバイアス電圧は27.8Vと少し深めとなっている。 実測では27.5Vとなったが、セメント抵抗の誤差が影響していると思われる。

《 最大出力、測定結果 》
 プレート電圧369.5V(397V−27.5V)、プレート電流72mAの条件でプレート損失は26.6Wとなり、3結時許容損失30Wの範囲内である。
 最大出力は入力電圧0.8Vで6.1W(1KHZクリップ開始)が得られ、動作例を少し上回った。
 10KHZ矩形波応答はまずまずの特性が得られた。高域特性は200KHZまで良好な特性を示している。 歪率は出力の増加に伴って増加するソフトディストーションカーブを描いている。
 20HZにおけるノンクリップ最大出力は中域の60%強が得られた。シングルアンプとしては良好な低域特性である。
 NFBは8dB、DFは5.5(ON/OFF法)、残留雑音はLch0.15mV、Lch0.12mVであった。

《 その他 》
 クロストーク特性が低域で悪化する現象はシングルアンプの宿命であるが、改善するためにはB電源のCHコイルを左右別にするなどの対策が必要である。



内部配線


背  面


ボンネットカバー付






LCH 8Ω 1W 矩形波
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)

RCH 8Ω 1W 矩形波
100HZ
1KHZ
10KHZ
10KHZ(0.1μF)
10KHZ(0.47μF)








inserted by FC2 system