初段は12AX7SRPP、出力段は12B4ASRPP、上段は自己バイアス、下段は固定バイアスである。
低負荷インピーダンスのSRPPでは制御抵抗(Rc)の設定が大切である。制御抵抗(Rc)は下記の計算式で求めることができる。 Rc=(rp+RL)/(μ−1) 上記計算式にrp=1000Ω、RL=420Ω、μ=6.5を代入すれば、最適制御抵抗値は260Ω前後となる。 RL=420Ωとした理由は特になく、たまたま直列抵抗が390Ωで負荷抵抗に30Ωを使用した結果である。 しかし、この抵抗は上段のバイアス抵抗も兼ねているので、プレート電圧が高い場合はプレート損失がオーバーしないように注意する必要がある。 制御抵抗よりもバイアス抵抗を大きくいする場合は右図のように結線する方法がある。 見かけの制御抵抗は適正なバイアス電圧が得られる値とし、大容量電解コンデンサーと抵抗(できれば可変抵抗)を直列とした回路を並列接続し、実質制御抵抗値を下げる方法である。 今回はバイアス用として510Ωを使用したところ、歪の最良点の値とほぼ一致していたので、右図の回路は使用しなかった。 計算で求めた制御抵抗値の約2倍であるが、最大出力が得られる制御抵抗値と歪の最良点とは必ずしも一致しないと言うことかも知れない。 |