17KV6A×4SEPPOTLアンプ2号機  平成23年1月16日 




  1. はじめに
     このアンプは17KV6A×4SEPPOTLを分解し、シャーシー天板を交換し、部品配置も変えて製作した。 前作は何度も改造を重ね、昨年8月にも行ったばかりであるが、音に不満があった訳ではなく、部品配置と内部配線が気に入らなかったので、今回改造することにした。

  2. 変更箇所(回路図参照)

     (1)電源トランスが非常に熱くなるので、出力管との距離を大きくした。
     (2)平滑用CHコイルを0.55Hから0.9Hに変更した。
     (3)整流ダイオード直後の電解コンデンサーの容量を267μFから660μFに増強した。
     (4)初段を12AT7(6201)からμ=40の6414に、ドライバー段定電流管を6CW5に変更した。
     (5)カップリングコンデンサーを0.047μFから0.1μFに変更した。
     (6)第2B電源用PTのタップを電解コンデンサー(450V)の保護のため、320Vから300Vに変更した。

  3. 使用部品
     シャーシーはSL−8の天板を交換して製作したが、厚さ2mmのアルミは穴あけ作業が大変であった。 サイドに無駄な穴が空いているので、目隠しに水生ニス塗装を施した木板を内側からネジ留めした。
     電源トランスはタンゴMX−280とノグチ36050Mを流用したが、平滑用CHはノグチ0.9H300mAに変更した。

  4. 回路構成
     初段は6414によるSRPP、位相反転段は5814Aカソード結合型に6CW5による定電流回路を付加したものである。
    バイアス調整回路が個別であるため、5814Aの交流負荷抵抗が低いが、プレート供給電圧390Vであればバイアス電圧−33V前後である17KV6Aを十分ドライブ可能である。
     無信号時における17KV6Aプレート電流は87mAと少し多めにセットした。無信号時(プレート電圧214V)のプレート損失は18.6Wである。 また、最大出力時のプレート損失は42W程度となり、定格の40%超過であるが、低RLOTLアンプとしては標準的な値である。

  5. 測定結果
     電源のCHコイルのインダクタンスを0.55Hから0.9Hへ、さらにダイオード直後の電解コンデンサーを増強した結果、低出力時における100HZ歪率が前作よりかなり低下した。 
     高域の周波数特性は180KHZで−3dBである。もちろん高域にピークやディップは発生していない。
     容量負荷時の矩形波応答は0.1μFで小さなオーバーシュート、0.47μFではリンギングとオーバーシュートが発生している。
     NFBは14.5dB、残留雑音は左右とも0.1mV未満、DFは4.9(ON−OFF法)であった。

  6. 最大出力
     最大出力は入力1.05Vでクリップ開始出力7.5W/8Ωが得られた。7.5Wまでは歪率が1%以内に何とか収まっている。 某メーカーのように10%まで許容すれば最大出力9.5Wであるが、このときの波形は完全にクリップしている。やはり歪率1%時の出力を最大とすべきであろう。

  7. その他
     最近になってノーバル9ピンソケットを安く通販している店(徳島県)を見つけ、今回はそこで購入したものを使用した。 中国製ではあるが、一応タイト製金メッキ下付け型、価格は1個300円であった。


内  部  配  線


背  面  写  真>

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