23JS6A×2MT付SEPPアンプ改造   令和元年11月20日 


マッチングトランスを交換した23JS6A×2MT付SEPPアンプ

  1. はじめに
     今年9月に自作した23JS6A×2マッチングトランス付SEPPアンプ はMTのインピーダンス(64Ω)が少し低すぎたようなので、W2−ST60(167Ω)に交換することにした。
     23JS6ASEPPアンプの最適(最大出力が得られる)負荷インピーダンスは100〜200Ω付近で約15Wが得られる模様。
    詳しくは6JS6ASEPPアンプの最大出力を参照されたい。
  1. 使用部品
     マッチングトランスをタンゴ製10244をパナソニック製W2−ST60に交換したのみで他の部品は変更ない。

  2. 回路構成
     以下の通り回路定数に若干の変更を行った。

    (1)MTのインダクタンスが少し大きくなったと思われるので、段間の時定数を0.1μF×220KΩに変更した。
      その時、上段の0.1μFは630V耐圧で十分であるが、下段は800V耐圧以上を使用しなければならない。
    (2)微分型高域補償回路の定数を変更し、初段に積分型補償回路を追加した。

  3. 測定結果
     高域遮断周波数は1次側からのNFBでは68KHZ付近、2次側からのNFBでは130KHZ付近となった。 900KHZ付近にディップがあり、その後上昇している現象が現れているが、問題ないと思われる。
     周波数特性以外はNFBを1次側、2次側のいずれから掛けてもほとんど差は見られなかった。
     NFBは約12dB、残留雑音は左右CH共0.3mV程度であった。 DFは1次側から帰還した場合は5.4、2次側から帰還した場合は9.5で改造前よりも大きくなった。

  4. 最大出力
     入力2.2Vでクリップ開始出力15.5W(1KHZ)が得られた。改造前に対して30%増加した。
     10HZにおける最大出力は中域の25%程度まで低下しているが、20HZでは中域の約95%が得られている。 出力10W時のひずみ率は一挙に1/4に低下した。167Ω負荷の効果である。


バイアス調整、PPバランス調整用VRとテストピン、測定切り替えSW、NFB切り替えSW


内部配線


背  面  写  真

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