36LW6×4SEPPOTLアンプ9号機  令和5年3月18日 




  1. はじめに
     手元に36LW6(GE製)が約20本ほど残っていたので、その中から選別して低RLSEPPOTLアンプの製作を思いついた。 低RLSEPPOTLアンプとしては令和2年8月に製作した40KG6A×4SEPPOTL以来の約2年半振りである。

  2. 使用部品
     電源トランス、チョークコイル(0.6H500mA)は西崎電機特注品を各2個、ゼネラルトランス製PMC−1006Hを1個使用する。
     使用真空管は12AT7 2本、12BH7A 2本、12BY7A 2本、36LW6 8本である。
    シャーシーは旧スズラン堂製SL−20の天板を2oアルミ板に交換して使用する。 天板は穴あけ加工後、アルミ用シルバーメタリック塗装を施す。 側面には水性ニスを塗った木板を取り付ける。

  3. 回路構成
     初段は12AT7のSRPP、位相反転ドライバー段は12BH7Aで、共通カソード定電流管は12BY7Aとする。 前段用B電源は2個の電源トランスにある160V120mAを直列接続して320Vとし、ブリッジ整流して供給する。 出力段用B電源は左右別で240V700mAをブリッジ整流して供給する。
     SEPPアンプに必要な打ち消しはPNFB方式とする。 カソード結合型位相反転回路のカソード抵抗部分に12BY7A(3結)を使用し、打ち消し電圧は12BY7Aのカソードに注入する。
     36LW6のヒーターは特注電源トランスに設けた36V1A2回路(トランス2個で4回路)で上段2本、下段2本を別々に供給する。

  4. 測定結果
     最初GE製36LW6で測定を開始したが最大出力が14W程度しか得られなかった。 そこで中古の別メーカー(フィリップス製)の球に交換したところ19W弱まで増加したので、GE製の使用は諦めることにし、 以後フィリップス製の36LW6を使って測定を進める
     周波数特性ではピークやディップはなく、10KHZの矩形波応答は全く問題な無い。 高域遮断周波数は180KHZ付近で、非常に広帯域に仕上がった。 高域補償回路無し場合、カットオフは300KHZ付近となっていた。 OPT付アンプではこれだけの特性は得られないと自負している。
     歪率は10W辺りまで1%未満となり、まずまずの結果となった。  NFBは約11dB、残留雑音は左右とも0.25mV未満、DFは3.8(ON−OFF法)であった。 このアンプの最適負荷抵抗は50Ω前後となる。36LW6SEPPアンプの最大出力を参照。
     最大出力は入力0.54Vでクリップ開始18.5W/8Ωが得られ、75KHZ付近まで最大出力の低下は見られない。 低域最大出力も100HZ未満では少し低下傾向がみられるが、10HZでも17W程度が得られている。 OPT付では得られない特性である。
     クロストークは全く問題ない結果が得られた。

  5. その他
     バイアス、DCバランス調整は2連VR4個、単連VR4個とトグルSW8個を設置しているので、デジタルテスターとマイナスドライバーがあれば簡単に行うことができる。


背  面  写  真


内 部 配 線


前面に取り付けたバイアス、DCバランス調整切り替え用トグルSW8個とテストピン(左右別)

 
シャーシー上に設けた8個のVR(単連4個、2連4個)

inserted by FC2 system