40KG6A×2MT付SEPPアンプ2号機  平成31年1月29日 




  1. はじめに
     昨年、ソフトン製SEPPアンプ用マッチングトランスMT−72を2個入手できたので、このトランスを使用したSEPPアンプを製作することにした。
     このトランスはK.ame氏の手によるもので、以前から欲しかったものである。

  2. 使用部品
     電源トランスは40KG6A×2マッチングトランス付SEPPアンプ1号機から2個を流用する。
    チョークコイルはLUX4605(1.25H220mA)を2個使用する。
     マッチングトランスのMT−72は72Ω〜16Ω〜8Ω〜4Ω〜COMの単巻構造で、容量は56W(30HZ)である。 巻線はかなり複雑な多分割巻きが採用されており、高性能が期待できる。
     使用真空管は12AX7 2本、6FQ7 2本、6CH6 2本、40KG6A 4本を使用する。 シャーシーは奥澤製O−4にアルミ用シルバーメタリック塗装して使用する。 側面には水性ニスを塗った木板を取り付ける。

  3. 回路構成
     初段は12AX7のSRPP、位相反転ドライバー段は6FQ7で、共通カソード定電流管に6CH6を使用する。 MTが単巻構造のためNFBは72Ω端子から初段カソードへ帰還する。
     前段用B電源は2個のトランスの巻き線(175V)を直列にしてブリッジ整流するという変則的な使用法である。

  4. 測定結果
     周波数特性では目立ったピークやディップはなく、10KHZの矩形波応答は全く問題な無く、歪率もかなり良好となった。 最適負荷抵抗は90Ω前後である。40KG6A(6KG6A)SEPPアンプの最大出力を参照。
     NFBは約16.5dB、残留雑音は左CH0.2、右CH0.4mV、DFは7.5(ON−OFF法)程度であった。 右CHはトランスの漏洩磁束の影響を受けている模様であるが、使用上問題のないレベルである。
     最大出力は入力0.67Vでクリップ開始15.7W/8Ωが得られた。
     使用したマッチングトランスは非常に優秀で10HZ−0.2dB、158KHZ−3dB、1MHZまでピークやディップは見られない。 低域も20HZで中域の87%、10HZでも63%程度の最大出力が得られた。

  5. その他
     最近はマッチングトランスを使用したSEPPアンプを多く自作しているが、発熱量を抑えることが出来、さらに低ひずみが実現できる。 球級が少いため、バイアス調整は通常のPPアンプと変わらない。 また、低インピーダンススピーカーにも対応できるので、非常に使いやすい。



内部配線


背  面  写  真

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