40KG6A×4SEPPOTLアンプ2号機  令和2年8月3日 




  1. はじめに
     手元に40KG6Aが16本ほど残っていたので、その中から8本を選別してこのアンプを製作した。 SEPPOTLアンプとしては平成30年9月に製作した6C33CB×2SEPPOTL以来の約2年振りである。

  2. 使用部品
     電源トランス、チョークコイル(0.6H500mA)は西崎電機特注品を各2個、ゼネラルトランス製PMC−1006Hを1個使用する。
     使用真空管は12AT7 2本、12BH7A 2本、6BQ5 2本、40KG6A 8本である。
    シャーシーは奥澤製O−2(400×300×70)にアルミ用シルバーメタリック塗装して使用する。 側面には水性ニスを塗った木板を取り付ける。

  3. 回路構成
     初段は12AT7のSRPP、位相反転ドライバー段は12BH7Aで、共通カソード定電流管は6BQ5とする。 前段用B電源は2個の電源トランスにある160V120mAを直列接続して320Vとし、ブリッジ整流して供給する。 出力段用B電源は左右別で265V500mAをブリッジ整流して供給する。
     SEPPアンプに必要な打ち消しはPNFB方式とする。 カソード結合型位相反転回路のカソード抵抗に6BQ5(3結)を使用し、打ち消し電圧は6BQ5のカソードに注入する。
     40KG6AのヒーターはAC100Vと21V2.5Aを逆相接続して80Vを作り、4本を直並列にして点火する。 計算上は79Vであるが、AC電源電圧が少し高いので80Vが得られた。

  4. 測定結果
     周波数特性ではピークやディップはなく、10KHZの矩形波応答は全く問題な無い。 高域遮断周波数は175KHZ付近で、非常に広帯域に仕上がった。
     歪率は8W辺りまで1%未満となり、まずまずの結果となった。  NFBは約12.5dB、残留雑音は左右とも0.25mV未満、DFは3.5(ON−OFF法)であった。 このアンプの最適負荷抵抗は50Ω前後となる。40KG6A(6KG6A)SEPPアンプの最大出力を参照。
     最大出力は入力0.65Vでクリップ開始15.5W/8Ωが得られ、80KHZ付近まで最大出力の低下は見られない。 OPT付では得られない特性である。 低域最大出力も100HZ未満では少し低下傾向がみられるが、10HZでも14W程度が得られている。 このアンプはB電源容量を少なくした影響で最大出力時のB電圧が低下し、1号機と比較して最大出力が少し低下した。
     クロストークは全く問題ない結果が得られた。

  5. その他
     バイアス、DCバランス調整は2連VR4個、単連VR4個とトグルSW8個を設置しているので、デジタルテスターとマイナスドライバーがあれば簡単に行うことができる。
     このアンプは音量調整用VRを左右に離して設置したため、入力端子でアースを左右共通にした場合、電源トランスの漏洩磁束を拾って片CHの残留雑音が0.8mVまで増加した。 そこで入力端子からVRまでのアースラインは左右それぞれシールド線外皮を利用し、初段付近のアース母線に接続した。 これにより残留雑音が左右とも0.25mV未満に収めることができた。
     40KG6Aと電解コンデンサーが近いため、間に熱遮蔽板を挿入した。 また、底板に取り付けた送風ファンの効果でシャーシー上面の温度を15℃程度下げることができたが、発熱量(MQ−36の約80%)は尋常でなく、夏向きではない。 ファンは24V仕様のところを17.5Vで駆動しているので非常に静かである。


背  面  写  真


内 部 配 線


前面に取り付けたバイアス、DCバランス調整切り替え用トグルSW8個


シャーシー上に設けた8個のVR(単連4個、2連4個)とテストピン(中央下部)


底板に取り付けた冷却ファン

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