6080単管マッチングトランス付SEPPアンプ2号機改造  令和2年10月2日 


マッチングトランスを交換した6080単管マッチングトランス付SEPPアンプ2号機

  1. はじめに
     令和2年3月に製作した6080WC単管マッチングトランス付SEPPアンプ2号機では、 OM−50の1次と2次を逆にし、2次側16Ω端子に8Ωを接続、1次側は400Ω端子に接続し、1次側インピーダンスを200Ωにしていた。 しかし、これでは高域の減衰がかなり多くなっていた。2次側の負荷を16Ωにすれば改善されるのであるが、これでは都合が悪い。
     そこで、手持ちのマッチングトランスW2−ST60(パナソニック製)に交換することにした。

  2. 使用部品
     マッチングトランスをW2−ST60に交換したのみで、他はそのままである。
    このマッチングトランスは1次側は167Ω−84Ω−COM、2次側は16Ω−8Ω−4Ω−COMで、容量は60Wである。

  3. 回路構成
     マッチングトランス1次側インピーダンスが200Ωから167Ωに変わったため、NFBが減少したので1次側からのNFB抵抗を27.1KΩから24.2KΩに変更した。

  4. 測定結果
     周波数特性はかなり改善された。特にNFBを1次側としたときの高域の減衰はほとんど見られなくなった。 容量負荷時の10KHZの矩形波応答も1次側からNFBの場合は非常に安定している。 2次側からNFBの場合、容量負荷時に少しリンギングが発生している。 1次側からのNFB場合の高域遮断周波数は70KHZ、2次からの場合は114KHZで満足できる結果となった。
     NFBは12.5dB、残留雑音は左右とも0.2mV未満、DFはマッチングトランス2次側からNFBをかけた場合は7.2、1次からの場合は4.5で残留雑音以外は変わりなかった。 残留雑音はマッチングトランスコアーの向きが変わったことが影響していると思われる。

  5. 最大出力
     最大出力は入力0.95Vでクリップ開始出力14W強が得られ、25%程度増加した。 前作では16Ω端子に8Ωを接続していたので定損失が2倍近くに増加していたことが影響していたと思われる。 低域20HZにおける最大出力は中域の85%程度が得られ、OM−50の時より改善されたが、10HZでは低下した。


ボンネットカバー付き


上  部  写  真


背  面  写  真


内  部  配  線

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