6FM7×2マッチングトランス付SEPPアンプ 平成30年10月31日
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シャーシーは旧スズラン堂製SL−8を使用し、天板は1.5oアルミ板を加工する。 両サイドには水性ニスを塗った側板を取り付ける。 電源トランスは西崎電機特注品、CHコイルはPMC-115H(1H150mA)を2個、PMC-1006H(10H60mA)1個を使用する。 マッチングトランスは業務用として製造された松下製W2−ST30(オークションで入手)を使用する。 このマッチングトランスの規格は1次側330Ω-167Ω-COM、2次側8Ω-6Ω-COM、容量30Wとなっている。 容量的にはW2-ST15で十分であるが、1次側インピーダンスを考慮してこのトランスとする。 |
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出力段とドライバー段はシルバニア製6FM7、初段はGE製12AU7を使用する。 共通カソードに接続する定電流回路には手持ちの関係でBrimar製6CH5(T)を使用する。 出力段用第1B電源は左右別とし、それぞれ280V200mAをブリッジ整流して±190V、最大DC125mAを供給する。 ドライバー段用第2B電源は175Vを倍電圧整流して供給する。 バイアス電源は4組の50V30mAをブリッジ整流して供給する。 打ち消し回路はPNFB方式で、マッチングトランス1次側から6CH6(T)のカソードへ帰還電圧を注入する。 NFBは1次側と2次側をSWで切り替えが出来るようにする。 高域は小さなピークやディップらしきものが観測された。 高域の遮断周波数は1次側から帰還した場合は約50KHZ、2次側から帰還した場合は約80KHZとなった。 左右で異なっている原因はMTのバラツキで、矩形波応答にもその特徴が表れている。 NFBが少いためか中出力時のひずみは多めであるが、3Wまでは1%以下に収まった。 プレート電流を増加させれば低下するが、6FM7(No.2)のプレート損失が10Wでは無理はできない。 周波数特性以外はNFBを1次側、2次側のいずれから掛けてもほとんど差は無かった。 NFBは約9dBに設定、残留雑音は左CH0.3mV、右CH0.25mV程度であった。 DFは1次側から帰還した場合は4.3、2次側から帰還した場合は6.6であった。 1次側からの帰還では2次側巻き線抵抗値の影響を受けて少し低くなった。 入力0.62Vでクリップ開始出力8W強(1KHZ)が得られた。 10HZにおける最大出力は中域の27%程度まで低下しているが、20HZでは中域の約85%が得られている。 余裕のあるMTの効果ではないだろうか。 |
シャーシー上面にテストピンを左右に取り付け、DCバランスとプレート電流測定の切り替えSWを取り付けた。 また、バイアス調整用VRは上面から調整できるように設置した。 右の写真参照。 下段のカップリングコンデンサーの耐圧は630Vでは不足するので必ず1000V耐圧以上のものを使用しなければならない。 入手できない場合は0.22μF(500V耐圧以上)を2個直列で代用できる。 市販品電源トランスの中にはSEPPアンプ用の製品は見当たらなく、特注せざるを得ないことがネックである。 | バランス調整用VRとテストピン |
内部配線 背 面 写 真 |