7233×8SEPPOTLステレオアンプ2号機 平成21年10月7日




  1. はじめに
     このアンプは平成21年3月に製作した7233×8SEPPOTLアンプ1号機を分解し、シャーシーを交換して製作したものである。

  2. シャーシー
     前作のシャーシーはリードS−2(350×280)であったが、放熱を考慮してS−1(400×300)に変更した。 底板はホームセンターで購入したアルミ板(1.5mm)で自作、側板は手持ちの木板を加工、水性ニスで仕上げた。 シャーシー本体はゴールドメタリック塗装である。

  3. 電源トランス
     前回のものをそのまま流用した。OTLアンプに使用できるPTの市販品は見当たらなく、特注したものである。 出力段のB電圧は少し低く、90V(1.2A)の倍電圧整流で±121V(無信号時)を確保している。
     今回は最初から7233を16本直列にしてAC100V点火とした。 その結果、PTの負荷が減少し、発熱量を抑えることができたが、念のため底板に冷却ファンを取り付けた。

  4. 初段、ドライブ段の変更箇所
     初段の12AX7Aを6414(μ=42)に交換し、ドライブ段の定電流回路には6CW5の3結を採用した。6414は@300、6CW5は@500で入手したものである。

  5. 定増幅型DFC方式
     初段の利得が減少した影響でNFBを13.5dBに設定したのでDFの最大値は4.5と小さくなった。DFの変化範囲も4.5〜2.1に狭まった。

  6. 測定結果
     最大出力は前作と同じ16W/8Ω、25W/16Ωが得られたが、電源部が同じであるから、当然の結果である。
     NFB量の関係で歪み率は1W/8Ω時0.3〜0.4%、10W/8Ω時1.2%前後と少し悪化しているが、100HZ、1KHZ、10KHZがほぼ同じカーブを描いていることから、素姓の良いアンプと思われる。 残留雑音は両CH共0.3mV前後と少し悪化しているが、AC100V点火としてはまずまずの結果である。
     高域補償はNFB抵抗並列の220PFのみであるが、周波数特性は280KHZで−3dBと広帯域アンプに仕上った。
     裸利得が減少したのでNFB抵抗を半分とした。そのため、電力感度は0.36V/1W、1.25V/16Wと下がっている。 しかし、マルチアンプ高音用に使用するにはこれでも感度が高すぎる感がある。 また、単独使用する場合、CD直結では少し感度不足であるが、プリアンプの使用が前提であれば全く問題ない。

  7. その他
     シャーシーを少し大きいサイズに変更したので、今のところ熱遮蔽板を省略している。電解コンデンサーの温度上昇も冷却ファンの効果でかなり抑えられているが、夏場が問題である。 来年夏の状況を見てから熱遮蔽板の必要性を検討する予定である。


内 部 写 真


背 面 写 真


底板(PTの直下)に取り付けた冷却ファン。

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