17KV6A×4SEPPOTLアンプ  平成22年8月26日改造  


17KV6A×4SEPPOTLアンプ
このアンプは平成22年11月に分解し17KV6A×4SEPPOTLアンプ2号機へ生まれ変わった。


  1. はじめに
     このアンプは平成20年、平成21年に大改造を行ったばかりであるが、前回の改造で少し入力感度下がりすぎたので今回再改造した。

  2. 回路構成
     初段を12AU7から12AT7(6201)に変更した。それに伴い、NFB回路定数の変更を行った。 位相反転段は12AU7によるカソード結合型、定電流管には6AQ8(パラ)を使用している。
     出力管ヒーターは6.3V+6.3V+5V=17.8Vでは少し高いので0.33Ω(10W)でドロップして供給している。

  3. 測定結果
     周波数特性を1MHZまで測定したが、1MHZまでピークやディップはなく、300KHZで−3dBと広帯域アンプとなった。 低域の減衰が少し早いが、段間の時定数が4.9(μF・KΩ)と小さいことが影響していると思われる。 しかし、このアンプは高音用として使用するので全く問題ない。なお、最大出力は14W/16Ω、8W/8Ωである。
     出力段無信号時のプレート電流は歪率との兼ね合いがあり、1本当たり90mA(プレート損失19W)と少し多いが、この辺りが限度と思われる。 最大出力時のプレート電流は470mAまで増加し、プレート電圧も190Vに低下する。
     残留雑音は0.1mV未満と小さく、ツイーターに耳を10cmまで近づけてかすかに聞こえる程度である。
     ダンピングファクターは通常時 5.3、DFC回路ONで 1.1 であった。(ON-OFF法) 
     NFBは電圧帰還と電流帰還を合わせて17dB、電流帰還用の抵抗は1Ω2W型3本並列(0.33Ω)で変更していない。 裸利得が増加した分、電流帰還も増加しDFC回路ONの時のDF値が小さくなっている。
    ご参考までに、改造前の回路図、及び改造前の測定データを別ページに掲載している。

  4. まとめ
     このアンプは無信号時のプレート電圧を212Vとしても最大出力は8W程度しか得られない。 3パラの構成であればヒーターを6本直列にしてAC100Vで供給することが出来るのでお薦めである。 また、最大出力も18W/8Ω程度が得られる。 その場合、MX-280では少し荷が重く、B電源容量は最低でもDC300mA以上必要である。 しかし、2組のB電源を必要とするため、市販品では2個のパワートランスが必要となる。 やはり、電源トランスを特注する方法が一番であろう。しかも、安上がりである。 17KV6A×6SEPPOTLアンプ参照。


内部写真

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