各種電解コンデンサーの容量チェック  平成18年7月3日 

 一般に電解コンデンサーは経年変化により劣化し、容量抜け等の現象が起きるとされている。 手元に40年以上前の製品から最近のものまで各種の電解コンデンサーがあるので、それらについて容量チェックと漏電流の測定を行った。 容量はデジタルテスターの容量計を利用すれば簡単に測定できるが、漏電流は測定電圧も異なるのでプリアンプ電源部の一次側にスライダックを挿入し各種直流電圧を取り出した。 なお、漏電流値はそれぞれの電解コンデンサー定格電圧の80%を印加し、直列に挿入した1KΩ抵抗の両端電圧をmV単位で測定した。 その値がそのままμAを示している。(下図参照)


 電解コンデンサーはその特性として電圧印加から数分間は漏電流が大きく次第に減少して安定するが、0にはならない。 また、長期間使用していないものは少し初期漏電流値が大きく、安定までに時間を要するようである。 電源電圧変動の影響が大きく、測定値が安定しなかったので最大値と最小値の中間値を測定値とした。
 上記方法で測定した結果を下表に示す。製造年はロットナンバー、記憶等により推定で記載したが、数年のズレがあるかもしれない。 漏電流の許容値は以下の計算式で求めたが、高耐圧製品の許容値はもう少し大きく、約3〜4倍程度まで許されている。

 I =0.01×C×V     I :漏電流(μA) C :コンデンサー容量(μF) V :定格電圧(V)

 判定は漏電流値20μA以上を▲印とし、それ未満を○印としたが、漏電流値は静電容量値や定格電圧、使用条件等により変化するものであり、あくまでも目安である。


 この結果だけ見れば、電解コンデンサーの寿命は長いと判断できる。オイルコンデンサーが絶縁不良に陥ることを考えれば非常に優れものである。 40年以上前の製品で長期間使用していないものは、漏電流の初期値は大きいが、数分で安定し、最近の製品と遜色ない結果である。 容量抜けもほとんど問題なく、かえって容量が増加していると思われるケースが多い。 最初からプラス誤差を生じていた可能性もあるが、そうであれば容量抜けの現象は起きていないことになる。
 また、最近の製品はマイナス誤差が大きい傾向が見られ、測定を実施したものは全て▲印であった。


 下の写真は測定した電解コンデンサーの一部であるが、縮尺は同じにしてあるので大きさの比較が出来る。


43年前の20μF300V       41年前の40+20μF300V


20年前の47μF450V         15年前の47μF450V


最近の47μF450V           最近の220μF450V

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