4種類のケーブル高域特性比較
平成18年1月3日
比較したケーブル
上から5C2V、3C2V、1.5C2V、0.75ビニールコード
- 測定実験の目的
今回はOSCとアンプ間の接続ケーブルを変えて高域特性に変化が現れるかどうか測定する。
- 測定の方法
測定には5C2V、3C2V、1.5C2V、0.75ビニールコードの4種類を使用した。
なお、ケーブルの長さはすべて1.7mにそろえた。また、1.5C2V以外の3種類は自作品である。
測定は、自作OSCと最近製作した12B4ASEPPOTLアンプの間を測定対象となるケーブルで接続し、2KHZと200KHZのレベルを比較する方法をとった。
OSCの出力を直接mV計で測定しても良いのであるが、実際の使用状態に近づけるため、敢て下図の方法にした。
手持ちのアンプの中でこのアンプの高域特性が一番伸びて、200KHZで−1.8dBの減衰であったからである。
また、その測定に使用したケーブルは3C2Vであり、他のケーブルと比較する意味もあった。
- 測定機器の性能確認
OSCに出力電圧計を装備しているが、2KHZで出力1Vに合わせ、周波数を200KHZに切り替えたとき指示値は0.96V(−0.35dB)である。
また、OSCに直接mV計を接続して測定した場合は−0.4dBと少し接続ケーブルの影響が出ているようであるが、まずまずの性能である。
ちなみに、OSC出力段は12BH7AパラによるSRPPである。
- 測定結果
4種類のケーブルを使用してアンプ出力での測定結果は下表の通りである。合わせて残留雑音も測定した。
ケーブルの違いによる高域特性の変化はほとんど観測されなかった。
しかし、1.5C2Vと平行ビニールコードを使用した場合は僅かに高域の減衰が多く、残留雑音も平行ビニールコードを使用した場合に僅かに増加している程度である。
実際にプリアンプと低音用メインアンプの間の接続に平行ビニールコードを使用して試聴したが、SP(30cmウーハー)に耳を近づけて誘導雑音が僅かに増加した程度であり、1m離れたらまったく感知することができなかった。
- まとめ
一般に言われているピンケーブルによる音の変化はあるのであろうか。今回の測定実験でも、高域の減衰にケーブルの影響はほとんど現れず、メインアンプの高域特性を測定していることと同じであった。
つまり、ほとんどのピンケーブルの高域特性はメインアンプのそれをはるか上回っていると言うことである。
プリアンプ等の出力インピーダンスが十分低い場合、そこに接続するピンケーブルによる影響はほとんど現れることはなく、音に変化が生じる原因とはならないと私は思っている。
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