スピーカーインピーダンス測定  平成21年5月1日 

測定した3個のエンクロージャーとSP
《 はじめに 》
 先日、JBL2213(4311内蔵の30cmウーハー)用の後面開放型ボックスを製作した。 その際、インピーダンス測定具を自作したので、現在使用中のSP3個についてインピーダンス測定を実施した。
 測定したSPは以下の通りである。
  1. JBL2213(4311内蔵の30cmウーハー)写真左上
  2. PW−A20(パイオニア20cmウーハー) 写真右上
  3. FW305(フォステクス30cmウーハー) 写真下
 各エンクロージャーの寸法、内容積、構造などは第1表、測定回路につては第1図を参照されたい。

《 測定方法 》
 測定方法は、SWを1側に倒した時の交流電圧計指示値を一定(E1)に保ち、SWを2側に倒したときの指示値がE2であれば、そのときのSPインピーダンスZsは 8×E2/E1(Ω)で求めることが出来る。
 最低共振周波数付近はできるだけ細かく測定しなければならない。なお、測定時における基準電圧(E1)は0.5Vとした。
 また、交流電圧計は10HZ〜20KHZが平坦なデジタルテスターであれば使用できる。




《 測定結果 》






 後面開放型の場合、JBL2213、PW−A20でも無限大バッフルに取り付けた状態に近い特性である。 いずれも fo のピークは21HZ付近にある。
 PW−A20のバスレフは、ポートが細長いため、単に圧力抜き程度の効果しか表れていないので、ほぼ密閉型に近い特性と思われる。
 JBL2213とPW−A20はどちらも受け持ち帯域が160HZ〜1600HZであるため、PW−A20をバスレフ(密閉型)で使用した時、fo 96HZでは影響が現れてもおかしくない。 実際に聴感上も少し低域がこもった感じの音がしていた。
 JBL2213とPW−A20を聴き比べた時、後面開放型の場合、ほぼ同じ傾向の音であるが、PW−A20をバスレフとした時は、かなりの変化を感じる。 私としては、後面開放型の方が好みの音である。
 FW305バスレフの fo は28HZとかなり低い。これはメーカー指定ボックスの倍近い内容積の影響であろう。 もう少しポートの調整をすれば15HZと45HZのインピーダンスピークをそろえることができると思われる。
 ユニットの最低共振周波数が25HZであることからして、まずまずの特性ではないだろうか。
 なお、JBL2213の公称インピーダンスは8Ωであるが、実測では4.8Ω(100HZ)と低い。 真空管OTLアンプで駆動するには少々苦しい値である。


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