《 測定結果 》
各内向き角度で測定した周波数レスポンスは次の通りである。なお、アナライザーのFFTサイズを低めに設定したグラフであるため、低音域のデータは信頼出来ない。
したがって400HZ以下の部分は無視して欲しい。
- スピーカー内向き角度 0度
- スピーカー内向き角度 10度
- スピーカー内向き角度 15度
- スピーカー内向き角度 20度
- スピーカー内向き角度 25度
- スピーカー内向き角度 30度
《 まとめ 》
測定結果の周波数特性図を順に見て行くと、ツイーターをリスナー正面に向けた場合、高音のレスポンスが上昇している様子が判るが、この現象はスピーカーの指向性から見れば当然の結果である。
注目すべき点は、0度の位置で1,700HZ付近に少し大きなピーク(3dB)が発生していることである。
このピークは内向き角度を大きくするに従い消滅傾向であり、SPからの垂線がリスナーの位置(25度)か、少し前で交差する状態(30度)が一番小さくなっている。
この1,700HZ付近のピークは再生音にどのような影響を与えるのであろうか。
1,700HZ〜2,000HZの正弦波を再生しながら頭を左右に移動すると、ほとんど片側の耳しか音が聞こえない位置、左右の耳に同じように聞こえる位置、あるいは右側からの音が左側から聞こえる位置等があることが判る。両耳の間隔と波長が関係しているようである。
SPの内向き角度を0度にした場合とSPをリスナーの正面に向けた場合では、後者の方は音の定位が良いと感じた。
これは、SP直接音の割合が多くなり、壁反射音の影響が少なくなった結果と思われる。
以上の結果から、これまでよりは少し内向き角度を大きく(25度)することにした。丁度ツイーターとスコーカーがリスナーの正面に向いた状態である。
この実験は簡単に実施できるので、各自が内向き角度を調整し、測定あるいは試聴を重ねれば最適状態を見つけることができると思う。
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