6080(6AS7G、6082)SEPPアンプの最大出力  平成17年1月8日  


 36LW6、17KV6Aに続き6080(6AS7G、6082)SEPPアンプの負荷抵抗対最大出力、並列本数対最大出力のグラフを作成した。
 すでに、武末数馬氏が16Ωに対するグラフを「パワーアンプの設計と製作(下巻)」に発表されているが、8Ωついてのグラフは発表されていない。 OTLマニアの間では6080(6AS7G、6082)を使用したSEPPOTLアンプが根強く製作されているようであるから、8Ωに対するグラフがあれば何かと便利と思い作成した。 なお、1本には2ユニットが封入されているが、以下のグラフはすべてユニット単位の計算であり、1本単位ではない。
 6080Eb-Ib特性曲線作成にあたり、メーカー発表の特性表からはEb=40V、Ib=139mA(Ec=0V)しか判らない。 これでは8Ω負荷SEPPアンプの最大出力計算は不可能である。 幸いにして、パワーアンプの設計と製作(下巻)に武末数馬氏が計算された、Eb=144V、Ib=810mA(Ec=0V)のデータが見つかったので、この2点に通る3/2乗曲線を作図したものが第1図である。 この図を元に計算で求めた並列本数(n)別 プレート電圧対最大出力(第2図)、負荷抵抗対最大出力(第3図)を次に示す。 6080を使用した場合の最大出力は17KV6Aよりは多めになるが、36LW6のおよそ半分である。 ほぼ6080の1本(2ユニット並列)と36LW6の1本が同等と思われるが、許容プレート損失は36LW6の44Wに対して6080は2ユニット並列でも26Wであるから、36LW6の方が使い易いと思われる。

 なお、6080を使用したSEPPアンプの場合、ドライブ電圧が非常に高くなるため、前段が貧弱な場合、6080をフルスイングすることが出来なくなり、最大出力が計算値よりも少なくなる。 したがって、6080の能力をフルに発揮させるためには、前段のプレート電圧を可能な限り高くする、あるいは出力電圧が大きく取り出せる球、回路等を採用する必要がある。 設計がまずいと計算値の60%程度しか最大出力が得られない。
 以下の、グラフ等は全て計算により導かれたものであり、実測値とは少し誤差があると思われる。 その点はご了承の上、あくまでも、目安としてご利用いただきたい。

 平成19年11月に製作した6080SEPPOTLアンプによれば、以前の計算値をかなり上回る最大出力が得られた。 そこで、もう一度計算をやり直し、グラフを差し替えた。(平成19年12月8日)




第1図 6080(6AS7G、6082)Eb−Ib特性曲線(推定)



第2図 6080(6AS7G、6082)並列本数(n)別 プレート電圧対最大出力



第3図 6080(6AS7G、6082)負荷抵抗対最大出力
(プレート電圧150Vにて計算)

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