6FM7(No.2)SEPPアンプの最大出力 平成30年6月25日 6FM7はTV垂直発振出力用として開発されたコンパクトロン12P型複3極管でる。 同類には9PMTタイプの6EW7や6FD7、US−8Pタイプの6DR7、コンパクトロン12Pタイプの6FY7などがある。 これら複3極管のSEPPアンプへの使用例は少ないが、No.2ユニットの内部抵抗は900Ω前後でSEPPとして使用可能と思われる。 下表は6FM7の設計最大値定格、動作例、プレート特性図(No.2)である。 プレート特性図からEc=0Vのみ抜粋したものが第1図である。赤線はプレート損失10Wを表している。 それに基づき、負荷抵抗対最大出力、プレート電圧別並列本数対最大出力(8Ω)のグラフを作成した。 あくまでも、目安としてのデータであるのでご容赦願いたい。 今回はプレート電圧200Vを基準に計算したが、プレート損失の兼ね合いでB級動作にしなければならないため歪が多目と予想される。 第1図から計算により求めた負荷抵抗対最大出力(第2図)及び、並列本数(n)別 プレート電圧対最大出力(第3図)を次に示す。 n=1の時の最適負荷抵抗は300Ω付近にあり、その時の最大出力は9W(Ep=200V)程度となる。 4本パラにすれば8Ω負荷、プレート電圧200Vの条件で14W程度の出力が得られそうであるが、複3極管のため多数並列で使用する条件は適さず、330Ω程度のMTを使ってSEPPアンプを組む方が適している。 そうすれば片CH2本でSEPPアンプを構成できる。 あるいは、低出力インピーダンスラインアンプとして 12B4A×2SEPPラインアンプや CR型フォノイコライザー付SEPPOTL出力ラインアンプ などのような使用方法も考えられる。 第1図 6FM7(No.2) Eb−Ib特性曲線(Ec=0Vは推定) 第2図 6FM7(No.2)負荷抵抗対最大出力 (プレート電圧200Vにて計算) 第3図 6FM7(No.2)並列本数(n)別 プレート電圧対最大出力 |