SEPPOTLアンプに於けるリップル打消し効果 平成22年10月12日 《 はじめに 》 以前から、自作SEPPOTLアンプでは、CHコイルを使用しない「リップル打消し法」を多用してきたが、100HZ歪率が低下しないなど、その効果に疑問を感じていた。 そこで、リップル除去法として「リップル打消し法」「CHコイル(0.55H)挿入法」についてFFT解析による比較を実施した。 参考のため、CHコイルを使用しない場合の解析も合わせて実施した。 《 測定条件 》
《 測定結果 》 リップル(120HZ)に対しては「リップル打消し法」「CHコイル(0.55H)挿入法」とも−25dB以上の除去効果が見られるが、 混変調歪(結合音)については「CHコイル(0.55H)挿入法」がすぐれている。 「リップル打消し法」では増幅段の非線形による相当量の混変調歪(結合音)を発生している模様である。 注入したリップル電圧は、主に出力段の残留リップル(120HZ)およびその高調波(240HZ,360HZ...)の低減に対して効果を発揮していると考えられる。 その他の周波数では「CHコイルなし」と大差がない。また、f ± n × 120(HZ)などにかなり大きなピークが発生している。 100HZのデータでは20HZ(差音)と220HZ(和音)のピークが特に大きい。 《 まとめ 》 やはり、CHコイルを用いてリップルを除去する方法が良い結果が得られるのであって、「リップル打消し法」はあくまでも便法である。 なお、今回使用したCHコイルは0.55Hであるが、1H以上のCHであれば更に好結果が得られるのではないだろうか。 「リップル打消し法」「CHコイル(0.55H)挿入法」「CHコイルなし」の比較は以下のFFT解析グラフを参照されたい。 《 100HZ 0.1W 》 リップル打消し CHコイル(0.55H)挿入 CHコイルなし 《 1KHZ 0.1W 》 リップル打消し CHコイル(0.55H)挿入 CHコイルなし 《 10KHZ 0.1W 》 リップル打消し CHコイル(0.55H)挿入 CHコイルなし 《 100HZ 1W 》 リップル打消し CHコイル(0.55H)挿入 CHコイルなし リップル打消し CHコイル(0.55H)挿入 CHコイルなし リップル打消し CHコイル(0.55H)挿入 CHコイルなし |